採用サービスって何が違う?
採用を進める中で、どのサービスを利用すればよいのか迷う企業様も多いのではないでしょうか。それぞれ仕組みが異なるため、費用のかかり方や使い方、注意すべき点も変わってきます。違いを理解しないまま利用すると、自社に合わない手段を選んでしまったり、想定より費用がかかったり、契約条件や法的な注意点を見落としたりしやすくなります。
本記事では、日本の採用支援サービスを4つの種類に分けて整理します。
- 人材紹介
- 求人媒体(求人広告・求人検索エンジン・募集情報等提供事業)
- RPO(SaiyouTeamのような採用代行サービス)
- 派遣
それぞれについて、仕組み、費用、強み、注意点を見ていきます。
1. 人材紹介(有料職業紹介)
人材紹介とは、紹介会社が求人企業と求職者の間に入り、採用に向けたマッチングや選考調整を行い、雇用契約の成立をあっせんするサービスです。実際の雇用契約は紹介会社ではなく、企業と求職者の間で結ばれます。日本の労働法上、こうした「あっせん」を行う事業は職業紹介にあたります。
出典:厚生労働省 「職業紹介・労働者派遣について」(2023年7月10日)資料1-2
どんなときに使われるか
人材紹介は、応募を広く集めるというより、必要な経験やスキルを持つ人材を採用したいときに使われやすいサービスです。特に、採用が難しいポジション、専門職、管理職、急ぎで埋めたいポジションで活用されることが多いです。
社内にノウハウがない部分を外部に任せやすいのも特徴で、候補者探索、推薦、日程調整、条件交渉などを一定程度委託できます。
費用の仕組み
人材紹介では、候補者の紹介、選考、採用決定という流れで進み、紹介手数料は採用が決定した時点で発生するのが一般的です。募集開始時や候補者紹介時には初期費用がかからないケースも多く、入社後の早期退職に備えて返金規定が設けられていることもあります。
出典:for Agents, Inc. 「人材紹介とは」(2024年10月22日)
手数料の相場
紹介手数料は、候補者の理論年収に一定の料率を掛けて決まるのが一般的で、相場は30〜35%前後とされることが多いです。たとえば理論年収500万円なら、手数料は150万〜175万円程度が目安になります。ただし、実際の料率や条件は会社ごとに異なるため、契約時は理論年収の定義、返金条件、違約金の有無まで確認しておく必要があります。2025年4月1日からは、手数料実績の掲載や違約金条項の事前明示も求められています。
出典:Recruit Marker 「人材紹介の手数料相場を解説」(2025年9月15日)
人材紹介が向いているケース
- 採用人数は多くないが、質を重視したい
- 採用が難しい職種や経験者を採りたい
- 社内に採用専任が少なく、候補者探索や調整を外部に任せたい
- 急ぎで採用したいポジションがある
人材紹介の強みと注意点
人材紹介会社は、候補者の探索から選考調整、条件交渉まで任せやすく、専門職や急ぎの採用で活用しやすい点が強みです。一方で、手数料は高くなりやすく、会社によって得意分野や紹介の質に差があるため、依頼先の見極めが重要です。特にブランド力のある大企業では、複数の紹介会社を使い分けやすいという面もあります。
よくあるミスマッチ
人材紹介会社の利用で起こりやすい課題は、紹介そのものよりも期待値のずれから生まれます。たとえば、求人要件が広すぎる、現場と経営側で求める人物像が一致していない、紹介会社が自社の事業やポジションを十分に理解していない、といった場合には、似た候補者ばかり紹介される、紹介数は多いのに面接通過率が低い、手数料に対して成果が見合わないと感じる、といった不満につながりやすくなります。加えて、紹介の予測しづらさや透明性の低さ、対応品質への不満が出やすいのも実務上よくある論点です。
要点
人材紹介は、必要な人材にピンポイントで会いたいときに使いやすい一方、手数料が高いため、要件が曖昧なまま使うとあっという間にコストが膨らみます。
2. 求人媒体(求人広告・求人検索エンジン・募集情報等提供事業)
求人媒体とは、企業が自社の求人情報を掲載し、求職者に届けるためのサービスです。求人サイト、求人検索エンジン、採用ページ連携型サービスなどが含まれます。
出典:厚生労働省 「優良募集情報等提供事業者認定制度」公式サイト
どんなときに使われるか
求人媒体は、特定の候補者を個別に探してもらうというより、求人を公開して応募を集めたいときに使われやすいサービスです。採用人数が比較的多い、まずは応募者を集めたい、知名度や採用広報も含めて自社の求人を広く見てもらいたい、といった場面で使われることが多いです。
特に、営業職、事務職、販売職、若手採用、未経験採用など、一定数の応募を集めながら選考したい場面と相性が良いです。
費用の仕組み
求人媒体の費用体系は媒体によって異なりますが、一般的には掲載課金型、クリック課金型、応募課金型、採用課金型などがあります。たとえば Indeed のスポンサー求人は、クリックされたときに料金が発生するクリック課金型を採用しており、企業側で予算上限を設定しながら運用できます。
一定期間の掲載に対して料金が発生する媒体もあります。一方で無料で求人掲載を始められるサービスもあり、求人媒体は人材紹介のように「採用決定時にのみ手数料が発生する」仕組みとは限らず、求人掲載そのものや応募獲得に対して費用が発生する設計が多いのが特徴です。
| サービス名 | 料金モデル | 掲載費 | 成果報酬費 |
|---|---|---|---|
| ハローワーク | 完全無料型 | 無料 | ー |
| Indeed | 一部無料型 | 15円〜999円(1クリックあたり) | ー |
| ジモティー | 一部無料型 | 0円〜 | ー |
| Wantedly | 掲載課金型 | 30万円〜 | ー |
| はたらこねっと | 掲載課金型 | 8.8万円〜(首都圏 / 4週間) | ー |
| ワークゲート | 応募課金型 | 3,300円〜(1応募あたり) | ー |
参考資料:「求人広告の費用の相場とは?掲載料金の比較一覧表・費用対効果を高める活用方法も解説」
求人媒体が向いているケース
- まずは応募を広く集めたい
- 採用人数が比較的多い
- 急募というより、一定期間で応募者を集めたい
- 自社で応募対応や面接調整を回せる体制がある
- 採用広報や認知向上もあわせて行いたい
求人媒体の強みと注意点
求人媒体は、比較的広い層に求人を届けやすく、採用ターゲットに応じて媒体を選べる点が強みです。クリック課金型や無料掲載型など、予算に応じて始めやすいサービスもあります。また、自社に応募してくる候補者を直接集められるため、採用単価を抑えやすい場合もあります。
一方で、応募が集まっても、必ずしも求める人材からの応募が来るとは限りません。媒体選定、求人票の内容、運用頻度、返信スピードなどによって成果が大きく変わるため、掲載するだけで採用につながるとは限らない点には注意が必要です。特に、難易度の高い専門職や管理職の採用では、媒体だけでは十分な応募を集められないこともあります。
よくあるミスマッチ
求人媒体の利用で起こりやすい課題は、媒体そのものよりも、「誰に見てもらい、何を伝えるか」が曖昧なまま掲載してしまうことから生まれます。
たとえば、媒体の利用者層と採用したいターゲットが合っていない、求人票に仕事内容や必須条件が十分に書かれていない、給与や働き方の条件が市場とずれている場合には、応募数はあっても面接につながらない、面接はできても辞退が多い、採用単価のわりに成果が出ない、といった不満につながりやすくなります。
また、クリック課金型では閲覧数が増えても応募や採用に直結しないことがあるため、表示数やクリック数だけでなく、応募率、面接化率、採用率まで見て判断することが重要です。
要点
求人媒体は、広く認知を取りにいく手段としては便利ですが、媒体そのものが採用を解決してくれるわけではありません。誰に見せたいのかを整理し、自社で運用できる体制があるかが結果を左右します。
3. RPO(採用代行・採用業務アウトソーシング)
RPOとは、Recruitment Process Outsourcing の略で、企業の採用業務の一部または全体を外部に委託するサービスです。日本では「採用代行」と呼ばれることも多く、採用戦略、候補者集客、応募者対応、面接日程調整、説明会運営、進捗管理、レポーティングなど、採用活動に伴う業務を外部が支援します。説明会や面接の連絡、日程調整、説明会運営、一次面接代行などが含まれることもあります。
どんなときに使われるか
RPOは、候補者を紹介してもらうことよりも、応募者対応や日程調整などの採用業務を外部に任せたいときに使われやすいサービスです。
人材紹介のように候補者を送客することが中心ではなく、採用プロセスを整え、運用を安定させることに重心があります。委託される領域としては、応募者連絡、面接調整、説明会運営などの実務オペレーションが中心です。
費用の仕組み
RPOの費用体系は、人材紹介のような成功報酬型が中心とは限らず、一般に月額固定型、従量課金型、プロジェクト型、またはその組み合わせで設計されます。たとえば、一定期間の採用業務をまとめて委託する月額契約、応募者対応件数や面接調整件数に応じて課金される従量型、採用立ち上げや繁忙期対応のための短期プロジェクト型などがあります。
RPOが向いているケース
- 応募対応や日程調整など、採用実務の負荷が高い
- 採用専任者がいない、または少なく、現場兼務で回している
- 短期間で採用戦略と採用体制を立ち上げたい
- 応募数や選考の進み具合を整理しながら進めたい
RPOの強みと注意点
RPOの強みは、採用活動に必要な実務を外部に任せることで、社内の負担を減らし、採用業務をスムーズに進めやすくなる点です。
ただ、本当の価値はオペレーションだけではなく、採用の進め方そのものを見直せることにあります。多くのRPOサービスは応募者対応や日程調整などの負担軽減に強みがありますが、理想的なパートナーは、採用ターゲット、選考設計、オファーの進め方なども含めて支援できます。
SaiyouTeamのようなRPOサービスは、単なる業務代行ではなく、採用手法や採用プロセスの設計・改善も含めて支援することを目的としています。採用業務を任せるだけでなく、自社に合った採用の進め方を一緒に考え、見直していく点が特徴です。
よくあるミスマッチ
RPOの利用で起こりやすい課題は、「何を代行してほしいのか」が曖昧なまま委託してしまうことから生まれます。たとえば、企業側は応募者対応だけを期待していたのに、実際にはレポート中心だった、逆に運用代行を期待していたのに採用戦略の設計までは含まれていなかった、といったズレが起こりやすいです。
RPOは万能なサービスではありません。導入前に自社の採用課題を整理し、何を任せるのか、どこまで改善してほしいのかを明確にする必要があります。SaiyouTeamでは、無料相談を通じて、採用の進め方や選考基準が合っているかを確認し、改善点を具体的に提案しています。
要点
RPOは単なる実務代行ではなく、採用の進め方を整えるための支援でもあります。どこまで任せるのか、何を改善したいのかが曖昧だと、外注しても採用は良くなりません。
4. 派遣(労働者派遣)
派遣とは、派遣会社(派遣元)が雇用している労働者を、別の会社(派遣先)の指揮命令の下で働かせる仕組みです。つまり、雇用契約を結ぶ相手は派遣先ではなく派遣元であり、実際の仕事の指示は派遣先が行います。
労働者派遣とは「自己の雇用する労働者を、その雇用関係の下に、他人の指揮命令を受けて、その他人のために労働に従事させること」とされています。これは、人材紹介のように企業と求職者の直接雇用を成立させる仕組みとは異なります。
また、派遣は請負とも異なります。請負では、請負会社が仕事の完成について責任を負い、発注者が請負労働者に直接指揮命令することはできません。一方、派遣では派遣先が派遣労働者に直接業務指示を行います。この違いは実務上とても重要で、見た目が似ていても、誰が労働者に指示を出すかで法的な整理が変わります。
出典:厚生労働省 「労働者派遣と請負の区分の必要性」
どんなときに使われるか
派遣は、一定期間だけ人手を補いたいときや、欠員補充、繁閑対応、定型業務の増員が必要なときに使われやすいサービスです。欠員補充、業務量変動への対応、軽作業・補助的業務、専門性を活かした人材の活用などが代表的な利用理由です。
つまり、すぐに直接雇用を増やすのではなく、必要な期間・必要な人数だけ就業体制を補いたい場面で使われやすいのが派遣です。
費用の仕組み
派遣では、企業は採用成功時の紹介手数料を払うのではなく、派遣会社に対して派遣料金を支払います。派遣料金は一般に、就業時間や契約期間をベースに決まり、その中から派遣労働者への賃金、社会保険料、教育訓練費、福利厚生費、会社運営費などがまかなわれます。
そのため、派遣は「採用が決まったときに一度だけ支払う費用」ではなく、就業している期間に応じて継続的に費用が発生する仕組みです。
派遣が向いているケース
- 欠員補充を早くしたい
- 繁忙期だけ人員を増やしたい
- 一定期間の事務、補助業務、運用業務を任せたい
- 直接雇用の前に、まず人手を補いたい
- 専門スキルを持つ人材を一定期間だけ活用したい
派遣の強みと注意点
派遣の強みは、必要なタイミングで比較的早く人員を確保しやすく、雇用に関する管理の一部を派遣会社に任せながら活用できる点です。特に、急な欠員対応や、業務量の増減がある職場では使いやすい仕組みです。
一方で、派遣先が直接雇用しているわけではないため、長く働いてほしい重要な人材の確保とは必ずしも相性がよいとは限りません。また、受け入れ期間のルール、誰が業務の指示を出すか、請負との違いなど、注意すべき点も多く、単に「外部の人に働いてもらう手段」とだけ考えると誤解が生じやすいです。
よくあるミスマッチ
派遣の利用で起こりやすい課題は、一時的に人手を補う仕組みと、長い目で見た採用の手段を混同してしまうことから生まれます。長く働いてほしい重要な人材を確保したいのに、派遣で対応しようとすると、制度上の受け入れ期間のルールや契約上の制約が先に問題になります。
また、現場では仕事を頼む感覚で依頼していても、実際には誰が業務の指示を出すのかや、どこまでの業務を任せるのかがあいまいで、請負との違いが分かりにくくなることもあります。
さらに、派遣料金だけを見て高い・安いと判断すると、賃金以外に含まれる社会保険料、教育訓練費、福利厚生費などを見落としやすいため、料金の内訳まで含めて確認する必要があります。
要点
派遣は「採用の別ルート」ではなく、「一定期間だけ人手を補う仕組み」です。便利な場面は多いですが、直接雇用とは法的な整理も使い方もまったく違います。
人材紹介・求人媒体・RPO・派遣の比較表
| 項目 | 人材紹介(有料職業紹介) | 求人媒体 | RPO | 派遣 |
|---|---|---|---|---|
| サービスの仕組み | 紹介会社が企業と求職者の間に入り、採用成立に向けてあっせんする | 求人情報を掲載・配信し、応募を集めるための情報提供サービス | 採用業務の一部または全体を外部が代行・支援する | 派遣会社が雇用する労働者を、派遣先の指揮命令下で働かせる |
| 誰と誰が雇用契約を結ぶか | 企業と求職者 | 企業と求職者 | 原則、企業と求職者 | 派遣会社と労働者 |
| 企業が得るもの | 候補者の紹介、選考調整、条件交渉など | 求人の掲載、応募獲得 | 応募者対応、面接調整、進捗管理、採用実務の運用支援など | 一定期間の就業人員 |
| あっせんの有無 | あり | なし | 内容による。どこまで関与するかによっては職業紹介に当たる可能性がある | 直接雇用のあっせんではない |
| 指揮命令するのは誰か | 採用後は企業 | 採用後は企業 | 委託業務の範囲によるが、採用した人材への指揮命令は通常企業 | 就業中は派遣先企業 |
| 費用発生のタイミング | 採用決定時に成功報酬が発生するのが一般的 | 掲載時、クリック時、応募時など媒体による | 月額固定、従量、プロジェクト単位などが多い | 就業時間、契約期間に応じて継続的に発生する |
| 費用感の考え方 | 1人採用するごとにまとまった費用がかかる | 比較的使い始めやすいが、掲載方法や運用によって費用が変わる | 採用実務を外部に委託するための費用 | 採用費ではなく、人員利用に対する継続費用 |
| 向いている場面 | 採用が難しい職種、経験者採用、管理職採用、急ぎの採用 | 広く応募を集めたいとき | 採用業務の負担を減らしたいとき | 欠員補充、繁忙対応、一定期間だけ人手が必要なとき |
| 強み | 候補者探索から調整まで任せやすい | 広く募集できる、自社応募を集めやすい | 採用オペレーションを安定化しやすい | 比較的早く人材を確保しやすい |
| 注意点 | 手数料が高くなりやすい | 応募は来てもターゲットがずれることがある | 業務範囲が曖昧だと期待値のずれや法的整理の問題が起こる | 期間制限、請負との区分など法的注意点が多い |
| よくある誤解 | 採用実務まで全部やってくれると思われがち | 出せば自然に採れると思われがち | 候補者集めまで含まれると思われがち | 正社員採用の代わりに使えると思われがち |
どのサービスを選ぶべきか
ここまで見てきたように、採用サービスはそれぞれ役割や費用のかかり方、任せられる範囲が異なります。だからこそ、自社が今必要としているのが「人材の紹介」なのか、「応募を集めること」なのか、「採用業務の支援」なのか、「一時的な人員補充」なのかを整理せずに選んでしまうと、合わないサービスに費用をかけたり、任せたい業務が含まれていなかったり、社内の負担が増えたりしやすくなります。
まずは、自社に必要な役割を整理することが大切です。そこが明確になれば、どのサービスを選ぶべきか判断しやすくなり、無駄な費用や手間を抑えながら採用を進めやすくなります。