なぜスクリーニングは多くの会社が思う以上に重要なのか
中小企業として人材採用を進めるなら、採用プロセスの中でもスクリーニングの段階はとても重要です。私自身、Googleでリクルーターをしていた時期は、候補者のスクリーニングに仕事時間の約4分の1を使っていました。それだけ価値のある工程だったからです。
私の経験では、この工程は設計を少し間違えるだけで採用全体の成否を左右します。スクリーニングは、たいてい緩すぎることが問題なのではありません。本当のリスクはボトルネック化することです。将来有望な候補者を早い段階で落としてしまい、成果が出る前に採用パイプラインを枯らしてしまいます。この工程は多くの会社で誤解されていて、採用全体の流れの中に十分うまく組み込まれていないことがよくあります。
このガイドでは、スクリーニング面談とは何で、何ではないのかを整理しながら、候補者との相性を見極めつつ、優秀な人材を取りこぼさないための進め方を解説します。あわせて、実務で使えるルールや具体的な運用方法も紹介します。採用オペレーションをスムーズにし、良い人材を早めに確保しやすくするための内容です。
スクリーニング面談は何のために使うのか
スクリーニング面談とは何か
まず最初に、スクリーニング面談が何なのかをはっきりさせましょう。
スクリーニング面談は、候補者との最初の本格的な接点です。候補者にとって、会社への印象が求人票やスカウト文面から、実際の「声」、理想的には「顔の見える相手」へ変わる瞬間でもあります。ここで良い第一印象をつくれるかどうかは、採用プロセスの最後に候補者がオファーを受けるかどうかにも大きく影響します。
また、会社の事業内容を説明し、ポジションの魅力を伝えるのにも最適なタイミングです。ここは、採用プロセスの中で候補者に魅力を伝える最後の工程であり、その先は見極めるフェーズに入っていきます。信頼関係をつくり、候補者が面接を受けることに前向きになるだけの安心感を持ってもらう場でもあります。面接を受けること自体、候補者にとっては少なからず身構える行為だからです。
そして最後に、この場は履歴書の内容と実際の人物像を結びつけ、ポジションや会社との全体的な相性を確認するチャンスでもあります。スクリーニング面談は、候補者と企業のあいだで行う基本的な情報交換の場として捉えるのがよいです。そのうえで、先に進む価値があるかどうかを見ます。
誰がスクリーニング面談を担当すべきか
SMBでは、社内に専任のリクルーターがいないことも多いでしょう。その場合、採用の専門職ではない人が対応する必要があります。もちろん、最初は慣れが必要ですし、時間もかかります。ただ、運用の中にうまく組み込めれば、これはむしろ強みに変わります。
スクリーニング面談は、一方的に見極める場ではなく、企業と候補者がお互いを見ながら信頼をつくっていく双方向の会話です。つまり、両者とも相手に魅力を感じてもらう必要があります。候補者は自分の経験を伝え、企業側は機会としての魅力を伝えます。そういう場では、Hiring Manager、できればCEOのようなシニアリーダーが出るほうが信頼感がありますし、ビジョンもよりシャープに伝えられることが多いです。
大企業では社内採用チームがいるため、リーダー陣は後半の面接で関わることが一般的です。ただし、それは企業ブランドの強さや、ハイレベルな採用担当者がいることで成り立っています。そうでないなら、むしろ早い段階から関わることを強みにして、採用成果を最大化したほうがよいです。
Takeaway
- スクリーニング面談は、単なる簡易フィルターではありません。候補者にとっての最初の本格的な印象づくりであり、正式面接前に魅力を伝える最後の機会であり、全体的な相性を見極める最も情報量の多い場のひとつです。
スクリーニング面談の進め方
スクリーニング面談の基本構成
スクリーニング面談が採用プロセスの中でどんな役割を持つかが見えてきたので、次は実際の進め方に入ります。まず全体の構成を説明し、その後で各パートをどう設計すべきかを詳しく見ていきます。
基本的には、スクリーニング面談は30分前後をおすすめします。
多くの候補者は緊張していますし、会社についても十分には理解していません。なので、まずは企業側から話し始めるのがよいです。最初に事業の全体像を伝えることで、その後にポジションの話をするための前提ができます。そのうえで、候補者にとって魅力的なポイントを伝え、次に質問の時間を設けます。最後にこちらからいくつか質問し、その後で最初の正式面接を設定します。
全体の流れは次の通りです。
- (1) 会社について説明する
- (2) ポジションの魅力を伝える
- (3) 候補者から質問してもらう
- (4) こちらから質問する
ここからは、それぞれのステップを順番に見ながら、実際に使いやすい進め方をお伝えします。
(1) 会社について説明する
この段階で、候補者がすでに会社や事業の細かいところまで理解している前提で話すべきではありません。たとえば採用の入口が、SaiyouTeamが行うようなダイレクトソーシングだった場合、候補者は営業でいうところのコールドリードに近い状態です。少し興味があって話すことには応じてくれたけれど、最初に声をかけたのはこちらです。だからこそ、まずは企業側がカードを見せるべきです。
(a) 事業の概要
まずは、会社が何をしているのかをシンプルに、わかりやすく伝えます。
「[Company]では、[Product]をつくり、それを[Channel]を通じて[Client]に提供しています。」
あわせて、会社の背景も少し話すとよいです。たとえば、いつ設立されたのか、なぜ始まったのか、誰が立ち上げたのか。さらに、有名企業を顧客として獲得した、新しいプロダクトを無事に立ち上げたなど、大きめの実績を1つか2つ加えると伝わりやすくなります。
ここでは複雑な話に飛び込まず、シンプルで明快であることを優先してください。新しい情報を一気に詰め込みすぎると、候補者はほとんど覚えられず、むしろ混乱しやすくなります。
(b) チーム体制
次に、会社がどのように成果を出しているのか、つまり運営の全体像を簡潔に説明します。
「私たちの[Team 1]は[Tools or Process]を使って[X]を担当しています。[Team 2]は[Y]を担当しています。」
あわせて、チーム規模や、どんな職種やバックグラウンドの人を採用していることが多いのかも軽く触れるとよいです。
このパートで候補者は、どんな仕事が、誰によって、どう進められているのかを具体的にイメージしやすくなります。
(c) 採用チームについて
そこからさらに絞って、募集ポジションが所属するチームについて説明します。候補者には次のことを伝えましょう。
- そのチームが何をしているか
- 人数や役割、責任範囲を含めてどんな体制か
- 今どこに注力しているか。たとえば現在のプロジェクトや今年達成したいこと
- 今まさに直面している主な課題は何か
この枠組みを使うと、候補者に必要な前提をひと通り共有しやすくなります。ポジションがどこに位置づくのか、なぜ採用しているのかも自然に説明でき、そのまま募集ポジションの話に入れます。
(d) ポジション
次に、なぜこのポジションを募集しているのかを説明します。新設ポジションなのか、後任採用なのかも明確にしましょう。後任採用なら、前任者がなぜ退職したのかも、候補者が不安を抱かないように率直に伝えるのがおすすめです。
そのうえで、細かい職務一覧をすべて読み上げるのではなく、まずはミッションの核と重要な業務を2〜3個に絞って話すのがよいです。そして、それがチームや事業にとってなぜ重要なのかまで伝えてください。
また、候補者に何を求めているのかも率直に共有しましょう。特に、絶対に必要な経験やスキルを2〜3個伝えるのが効果的です。nice to haveまで広げすぎると、必要以上に候補者を遠ざけてしまいます。この情報は、なぜ自分に声がかかったのかを候補者が理解する助けにもなりますし、勘のいい候補者なら、自分の回答で何を強調すべきかもわかります。
最後に、どのように成果を評価するのか、その役割での成功とは何かも伝えるとよいです。人は、自分に何が求められるのかを知りたがります。ここが明確なほど、不安は減ります。
(2) ポジションの魅力を伝える
ここからは、採用したいポジションを候補者にしっかり売り込む時間です。ここまでは、会社、チーム、ポジションについて企業側の視点で説明してきました。つまり、話の中心は企業側でした。でも、魅力を伝えるというのは、そこから候補者目線に切り替えることです。
プロダクトを売るときと同じように、明確なUSPを1つか2つ用意してください。USPとは、候補者にとっての独自の魅力です。要するに、自分にとって何が良いのかが一目でわかる状態をつくることです。
ここでは決まり文句をそのまま渡すのではなく、USPとして使いやすい切り口をいくつか紹介します。自社に合うものを選べるようにするためです。以下は、候補者への訴求力が強い順に並べています。この順番を見ると、どのポイントがどれくらい刺さりやすいかの感覚もつかめますし、自社のオファーをどう位置づけるか考えやすくなります。
ただし、以下の順番はあくまで一般論であって、候補者によって重視するものは違います。だからこそ、相手が何を大事にしていそうかを会話の中で探り、できる限り伝え方を調整することが大切です。
(a) ワンランク上の機会 ⭐⭐⭐⭐⭐
これは、候補者にとってすぐにステップアップと感じられるような機会を提示できる場合です。実質的に昇進に近いオファーだと言えます。
たとえば、ミドルクラスのSoftware EngineerにSenior Software Engineerのポジションを提案するケースがあります。または、開発スキルを持つIT Support SpecialistにJunior Software Engineerの役割を提案するような、より意味のあるキャリアの前進もあります。
候補者にとっての価値はとてもわかりやすいです。選ばれれば、キャリアの次の段階に進めるうえに、より大きな仕事を任され、報酬も上がります。これはおそらく最も売りやすい切り口で、私自身もSMBにとって特に有効だと思っています。うまくやれば、伸びる人材を早い段階で見つけ、大手のように横移動しか提示しない競合よりも採用しやすくなります。
(b) キャリア成長の機会 ⭐⭐⭐⭐
これは、肩書き上は横移動でも、候補者の職務範囲や経験の広がりという意味では大きな成長になるオファーです。
このケースは大企業でよく見られます。たとえばAppleが小規模企業からエンジニアを採用するとき、必ずしもタイトルを上げるわけではありません。それでも候補者は、より大きな規模で、より注目度の高いプロダクトに携わり、より強いブランドのもとで、一流の同僚たちと働けるため、大きなキャリア成長と受け取ります。
このタイプの魅力を出せるのは、基本的には企業として上位にいる側の特権で、SMBにはなかなかありません。ただ、候補者が比較している相手がこうした企業である可能性はあります。候補者がこの価値をどう見ているかを理解しておくことは役立ちます。
(c) 働く条件 ⭐⭐⭐
働く条件も非常に強い訴求ポイントです。働き方に対する価値観が変わる中で、候補者が重視する度合いはどんどん高まっています。
ここでいう働く条件とは、無料の食事や仮眠スペースのことではありません。実際に候補者が本当に気にするのは、自分の私生活がきちんと守られるかです。つまり、勤務時間、想定される残業、フレックスタイム、在宅勤務の可否、そして休暇制度などです。
こうした条件は、既存社員の定着のためだけに考えるものではありません。採用でも非常に有効です。たとえばSaiyouTeamのクライアントの中には、日本ではかなり珍しい5週間の休暇制度と、残業なしを保証している会社があります。こうした条件があると、自社より知名度や規模が上の会社と競っても採用しやすくなり、離職率もかなり低く抑えられます。採用しやすくなるだけでなく、そもそも採用の必要性自体も減らせます。
(d) 会社のミッション ⭐⭐
創業者は会社のミッションを重視しすぎる傾向があります。もちろん、世界を変えたい気持ちは本物でしょう。でも候補者が同じ熱量でそれに共感してくれるとは限りません。事業をゼロから立ち上げたのは創業者であり、その未来の果実を最も受け取るのも創業者です。一方で、多くの候補者は、基本的には時間を提供して対価を得る働き方を探しています。何年にもわたる経営戦略の恩恵を、オーナーとして受ける立場ではありません。
もちろん、候補者に価値観の共感を求めること自体は悪いことではありません。多くの人は、面白いプロジェクトに関わりたいですし、良いものをつくりたいとも思っています。ただ、それが創業者が考えるほど強い引力になるとは限らない、というだけです。
例外は、私がミッションドリブン企業と呼ぶタイプです。より大きな社会的意義を中心に据えた組織です。たとえば宇宙移住を掲げるSpaceXや、NPOのような組織がここに入ります。こうした会社では、価値観やミッションがはるかに大きな意味を持ちます。ただ、多くの会社はそうではないはずです。ミッションは語ってよいですし、相手の反応を見るのも大切ですが、それだけで採用を決め切ろうと考えすぎないほうがよいです。
(e) より高い給与 ⭐
意外に思うかもしれませんが、これは私がヘッドハンター時代、そしてGrouponやGoogleで企業内リクルーターをしていた時代を通じて一貫して感じたことです。ジュニアからディレクターまで、また無名の小さな会社からFAANGまで、さまざまな採用を見てきましたが、転職理由の一番に給与が来ることはほとんどありませんでした。
もちろん、お金は大事です。ただし、動機というより満たすべき条件です。実際、提示条件が現在の報酬や他社オファーより低すぎれば候補者は離れます。でも、給与が高いという理由だけで入社を決めてもらえることはほぼありません。
これはSMBにとってはむしろ良いニュースです。多くの場合、大企業と給与で正面から競うのは難しいからです。そもそも候補者を惹きつける主な要素はそこではありません。給与については誠実かつ率直に伝えつつ、売り込みの軸はもっと意味のあるポイントに置くのがよいです。
(3) 候補者から質問してもらう
会社やポジションの要点を説明し、エレベーターピッチも終えたら、候補者が質問できる時間を設けましょう。
ここでのおすすめは、最初に質問数の目安を伝えることです。たとえば2つか3つなどです。そうすると候補者は、何を優先して聞くべきかを考えやすくなりますし、スクリーニング面談が長いQ&Aに流れてしまうのも防げます。
実は、このパートから評価は本格的に始まっています。会社、役割、オファーのどこに関心を持っているのかが見えてくるからです。一般的に、最初に福利厚生や報酬ばかりを気にする場合、その候補者は事業そのものへの関心が強くない可能性があります。逆に、会社の方向性、チームの進め方、今の課題への向き合い方に興味を示すなら、前向きで関与度の高い候補者だとわかります。
(4) スクリーニング面談で何を聞くべきか
候補者の質問に答えたら、少しずつ話題を候補者自身に向けていきます。この時点で、こちらが20分近く話していることも多く、相手もだいぶリラックスしているはずです。ここから本音や考えを引き出しやすくなります。
私がよくやるのは、これから何について聞くかを先にざっと伝えることです。そうすると候補者は、次にどんな質問が来るのか不安になりにくくなりますし、何を含めて答えればよいかがわかるので、回答も整理されやすくなります。
ここで大事なのは、質問の目的はあくまで「この候補者が求めるタイプかどうか」、つまり全体的な相性と、今回のポジションが本人のキャリア目標に合っているかを確認することだという点です。その次に来る正式面接で、実力の深掘りはできます。
はい・いいえで終わる質問は、情報量が少ないので避けたほうがよいです。たとえば「[Company]で[X]を担当していましたか?」という聞き方では、候補者が自分の価値を十分に語れません。なので、ここではオープンな質問を使うことをおすすめします。候補者が重要だと思うことを自由に話せるため、回答が長くなり、深さも出て、より多くの示唆が得られます。
私がおすすめする質問は次の通りです。
(a) 自己紹介
まずは、全体的な自己紹介をしてもらいましょう。
質問例: 「これまでのご経歴について教えてください。」
確認したいポイントは次の通りです。
- 初期キャリアは簡潔に触れ、今回のポジションに関係のある最近の経験を中心に話せるかどうか
- 会社説明をした時のこちらと同じように、要点を押さえてわかりやすく話せるかどうか。これは思考の整理力にもつながります。
(b) 現在の役割
次に、最も関連性の高いポジションについて聞きます。多くの場合は直近の仕事ですが、ケースによっては異なることもあります。一般的には、そこが今回求めている専門性を最も表している部分です。
質問例: 「[Company]での[Position]としての役割について教えてください。」
回答で見たいポイントは次の通りです。
- 会社の中で自分の役割の目的を明確に説明できるか
- 重要なポイントを2〜3個に絞って話せるか、それとも項目の羅列になってしまうか
- その人の主な担当領域が、今回採用したいポジションと関連しているか
(c) 最も大きな成果
そこから、候補者の力をどう見ていくかに移ります。やり方はいろいろありますが、私はその人にとって一番大きな成果をひとつ説明してもらうのが好きです。これを聞くと、本人が何を大事だと思っているかが見えますし、最も誇りに思っていることを自然に話してもらえます。簡単ですが、とても示唆の多い質問です。合う候補者なら、話す時に少し目が輝くはずです。
質問例: 「[Company]でのご実績の中で、一番大きいものは何だと思いますか?」
より広めの聞き方: 「これまでの仕事で、一番誇りに思っている成果は何ですか?」
回答で見たいポイントは次の通りです。
- 自分が何をうまくやったのか、なぜ良かったのかをはっきり説明できるか
- 成果の広い影響まで見ていたか、それとも単にその作業自体が好きだっただけか
- 熱意を持って話しているか、それとも履歴書で一番大きい数字を読み上げているだけか
(d) 現在の状況
ここまででスキルや経験の概要がわかり、方向性として合っていそうなら、次はいまのタイミングや機会として合うかどうかを確認します。ここからは、広い意味でのオープン質問というより、次に進めるかを確認する段階です。
質問例: 「今、新しい機会に興味はありますか。あるとしたら、なぜですか?」
この質問で、その人が転職活動のどの段階にいるかが見えてきます。情報収集を始めたばかりなのか、すでに積極的に面接を受けているのか。また、転職理由が自分発なのか、たとえば明確な理由があって次を考えているのか、それともレイオフや個人的事情のような外部要因なのかも把握できます。
どちらの答えでも悪いわけではありません。ただ、その候補者が何をきっかけに動こうとしているのかを理解するのに役立ちます。
(e) 次に求めるもの
最後に、次の仕事に何を求めているのか、何を優先したいのかを聞くのがおすすめです。
質問例: 「理想の次の仕事を自分でつくれるとしたら、どんな仕事にしたいですか?」
この質問が好きなのは、目の前のオファーから一度切り離して考えてもらえるからです。そうすると、その人が本当に重視していることが出やすくなります。もしこちらのポジションに興味を持っている候補者なら、答えをこちらが説明した内容に近づけてくることが多く、それは良いサインです。
回答に納得できるなら、そのまま最初の面接設定に進むべきです。
Takeaway
- 強いスクリーニング面談は、あえてシンプルにつくられています。まず前提を共有し、ポジションの魅力をわかりやすく伝え、候補者が何を大事にしているかを話してもらい、そのうえでオープンな質問で相性を確認します。早い段階で面接そのもののようにしすぎないことが大切です。
面接をその場で設定する
なぜスクリーニング担当者が判断者であるべきなのか
ここで覚えておきたい実務上のベストプラクティスがあります。スクリーニング面談を担当した人が、面接に進めるかどうかを判断すべきです。つまり、スクリーニング担当者に次の面接を設定する権限を持たせるべきだということです。
理由はシンプルで、この段階ではスクリーニング面談が最も情報量の多い判断材料だからです。そして、その情報に直接触れているのは担当者本人だけです。履歴書は事実が並んだ静的なリストですが、人と人が話すと、無数のシグナルが取れます。ボディランゲージ、声のトーン、間の取り方、言いよどみ、表情などです。専門家でなくても、人はこうしたことを直感的に読み取っています。だからスクリーニング面談のほうが、候補者をより立体的かつ正確に理解できます。
ここにもうひとり判断者を挟むと、その情報はどうしても薄まります。スクリーニング担当者が、履歴書しか見ていない別の人に候補者を説明する構図になるからです。すると、その判断者はスクリーニングで実際に交わされた内容ではなく、履歴書の限られた情報だけで候補者を落としてしまうことがよくあります。つまり、せっかくスクリーニング面談をした意味が薄れ、結局CVだけで判断しているのと同じになってしまいます。
面接はその場で入れる
スクリーニング担当者に十分な権限を持たせるもうひとつの理由は、面談中にそのまま面接を設定できることです。もちろん、メールの往復がなくなるのでプロセスは速くなりますが、本当の価値はそれだけではありません。
前にも触れた通り、スクリーニング面談は双方向の場であり、企業は冷えた状態の見込み候補者に機会の魅力を伝えています。候補者は他社も見ているかもしれませんし、まだ御社について判断しかねているかもしれません。それは自然なことです。企業側と同じように、候補者も限られた情報の中で合理的に判断しようとしているだけです。だからこそ、次のステップへのコミットメントを取る一番簡単で効果的な方法は、まだ会話の熱があるうちにその場でお願いすることです。
これには3つの効果があります。
- 強い理由がない限り、断りにくくなる
- もし迷いがあるなら、その場で懸念や objection を言語化してもらえるので、すぐに対応できる
- 会話が終わったあとに、あれこれ考え直す時間を与えすぎない
スクリーニング面談の直後が、いちばん勢いのあるタイミングです。この勢いは必ず活かすべきです。営業でいう、熱いうちに決めるという考え方と同じです。
では、次の面接担当者の予定をその場で聞かずに、どうやって面接を設定するのでしょうか。必要なのは事前準備です。
私がすべての面接担当者におすすめしているのは次の3つです。
- カレンダーに空き面接枠をあらかじめ作っておくこと。Google WorkspaceでもOutlookでも簡単にできます。
- 誰も急に対応に追われないように、シンプルな日程ルールを決めておくこと。たとえば、面接は少なくとも48時間以上先で設定する、などです。
- スクリーニング面談の終盤で、その空き枠を候補者に見せて、どの時間が良いか選んでもらうこと。
「面接したいですか」と聞くよりも、複数の候補日時から選んでもらうほうが、ずっと前向きな結果につながります。
Takeaway
- 会ってみる価値があると思った候補者なら、追加承認やメールの往復で勢いを失わないことです。スクリーニング担当者が判断し、カレンダーには空き枠を用意し、会話の熱が残っているうちに面接を確定させましょう。