業務委託契約書(Independent Contractor Agreement)

従業員ではなく業務委託として個人事業主・フリーランスを起用するための契約書。業務範囲、報酬、知的財産、秘密保持、偽装請負の回避を定めます。

最終確認: · 日本の人事実務における業務形態フローに準拠

業務委託契約書ジェネレーター

業 務 委 託 契 約 書

委託者 株式会社サンプル(以下「甲」という)と受託者 鈴木 一郎(以下「乙」という)は、甲が乙に対して下記の業務を委託することについて、以下のとおり契約(以下「本契約」という)を締結する。

  1. 第1条(業務内容) 甲は乙に対し、次の業務(以下「本業務」という)を委託し、乙はこれを受託する。本業務は 準委任 契約として性質を有するものとする。 (1) 件名: Webサイト制作業務 (2) 業務内容: 甲のコーポレートサイト(全10ページ)のデザイン、HTML/CSS/JavaScriptによる実装、及び納品時動作確認 (3) 成果物: 完成したWebサイト一式(ソースコード、画像素材、運用マニュアルを含む) (4) 検収方法: 納品後10営業日以内に甲が検収。期間内に異議のない場合は検収完了とみなす。
  2. 第2条(契約期間) 本契約の期間は、2026年6月1日 から 2026年9月30日 までとする。期間満了の1ヶ月前までに甲乙双方から書面による異議の申出がない場合、本契約は同一条件で1年間更新されるものとし、以後も同様とする。
  3. 第3条(業務委託料) 甲は乙に対し、本業務の対価として 一括払い: ¥800,000 を支払う。支払期日は 月末締め、翌月末払い(請求書受領後30日以内) とし、乙の指定する銀行口座への振込により行う。振込手数料は甲の負担とする。
  4. 第4条(源泉徴収) 適用なし(受託者が確定申告にて納税) 適用ありの場合の予定源泉徴収額: ¥0 / 差引支払額: ¥800,000
  5. 第5条(成果物の権利帰属) 本業務の遂行により乙が作成した成果物(プログラム、ソースコード、図面、文書、画像、デザイン等を含む。以下「本成果物」という)に関する著作権(著作権法第27条及び第28条に定める権利を含む)その他の知的財産権は、甲が乙に対し業務委託料を完済した時点をもって、すべて甲に移転する。乙は本成果物について甲及び甲の指定する第三者に対して著作者人格権を行使しない。
  6. 第6条(秘密保持) 乙は、本契約に関連して甲から開示を受けた情報、本業務の遂行を通じて知り得た甲及び甲の取引先の情報(以下「秘密情報」という)について、甲の事前の書面による同意なく第三者に開示又は漏洩してはならず、本業務の遂行以外の目的に使用してはならない。本義務は、本契約終了後も3年間存続する。
  7. 第8条(独立性の確認) 本契約は業務委託契約であり、甲と乙との間に雇用関係を生じさせるものではない。労働基準法、労働契約法その他の労働関係法令は本契約に適用されない。乙は、本業務の遂行方法、作業時間、作業場所、使用する機材及び道具を自らの裁量で決定する。甲は、本業務の遂行手段について個別具体的な指揮命令を行わない。乙は、本業務以外の業務を他者から受託することができ、甲に対する専属義務を負わない。
  8. 第9条(解除) 甲又は乙は、相手方に対し 30 日前までに書面で通知することにより、本契約を解除することができる。相手方に契約上の重大な違反、支払停止、破産・民事再生等の申立て、又は反社会的勢力への該当が判明した場合は、催告なく直ちに解除することができる。
  9. 第10条(損害賠償) 甲又は乙は、本契約上の義務に違反し相手方に損害を与えた場合、当該相手方に対しその損害を賠償する責を負う。賠償額の上限は本契約に基づき支払われた又は支払われるべき業務委託料の総額を限度とする(故意又は重過失の場合を除く)。
  10. 第11条(協議事項) 本契約に定めのない事項又は本契約の解釈につき疑義が生じた事項については、信義則に従い、甲乙協議の上解決する。
  11. 第12条(合意管轄) 本契約に関して生じた一切の紛争については、日本法 を準拠法とし、東京地方裁判所 を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。

以上

本契約の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙署名又は記名押印の上、各1通を保有する。

2026年5月25日

【甲】 委託者

〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-1-1

株式会社サンプル

代表者 山田 花子  印

________________________

【乙】 受託者

〒150-0001 東京都渋谷区神宮前2-3-4

屋号: 鈴木デザインオフィス

鈴木 一郎  印

________________________

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公式情報源

本テンプレートは、以下の日本政府の一次情報源に基づいて作成されています。発行機関のページで根拠規定をご確認いただけます。

概要

業務委託契約書(Independent Contractor Agreement)とは

業務委託契約書は、従業員ではない個人または法人に対して特定の業務を委託するための契約書です。雇用契約とは異なり、受託者は業務の進め方、スケジュール、使用機材を自ら管理し、報酬として賃金ではなく業務委託料を受け取ります。本契約は民法(労働基準法ではなく)に基づき、請負(成果物責任)または準委任(業務遂行責任)の枠組みで規律されます。日本の中小企業実務では、デザイナー、ソフトウェア開発者、コンサルタント、翻訳者など、雇用以外の関係で起用する専門人材に対して標準的に使用されます。

使用タイミング

この書面を使用するタイミング

  • 業務範囲と終了日が定まったプロジェクト型業務を、フリーランスまたは個人事業主に委託する場合
  • 経理、法務、IT支援などの機能を、企業ではなく個人に外部委託する場合
  • 他のクライアントを持ち、自身の機材で業務を行うデザイナー、開発者、翻訳者などの専門家を起用する場合
  • 受託者が個人事業主として企業に請求書を発行する関係を構築する場合
  • 雇用関係を伴わない柔軟な業務体制を構築し、需要に応じてスケーリングしたい場合

記載事項

記載すべき項目

  • 契約当事者の特定(会社および個人または個人事業主)
  • 業務範囲:成果物、マイルストーン、検収基準、サービスレベルの期待値
  • 契約期間および更新・解除条件(解除予告期間を含む)
  • 報酬体系(一括、時間単価、マイルストーン)と支払時期(月末締・翌月末払いなど)
  • 源泉徴収の取扱い:国税庁の規定に基づき、指定業務は100万円以下10.21%、超過部分20.42%。受託者の確定申告で精算
  • 成果物の知的財産権の帰属
  • 秘密保持義務(または別途のNDA契約への参照)
  • 免責、賠償責任の上限、紛争解決手続
  • 偽装請負を回避するための独立性条項:業務方法、勤務時間、使用機材の独立性を明記

法的根拠

業務委託関係は民法第632条〜第642条(請負)または第643条〜第656条(準委任)により規律され、労働基準法の適用は受けません。ただし、実態として雇用関係の指標(会社が指示する労働時間、現地での監督、専属性、会社が提供する機材など)が存在する場合、裁判所および労働基準監督署は実態を雇用関係と認定し、遡及的に労働基準法上の保護、社会保険の遡及加入、未払残業代の支払いなどを認めることがあります。これは「偽装請負」と呼ばれ、日本の中小企業の採用実務において最も多いコンプライアンス上の問題の一つです。税務上も雇用とは異なり、業務委託料は国税庁の業務委託源泉徴収制度に従い、給与所得の源泉徴収とは別の取り扱いとなるため、支払い実務も区別する必要があります。

よくある質問

業務委託契約書に関するよくある質問

社会保険や退職金の負担を避けるために業務委託として起用できますか?

できません。実態が雇用関係の指標(会社の指示による労働時間、現地監督、専属性、会社提供の機材)を備えている場合、遡及的に雇用関係と認定され、受託者は社会保険の遡及加入、年次有給休暇、未払残業代を請求できます。誤った分類のコストは通常、節約額を上回ります。業務委託は実質的に独立した関係である場合にのみ使用すべきです。

業務委託の源泉徴収税率はどれくらいですか?

国税庁の規定により、指定業務(原稿料、デザイン料、講演料、特定のコンサルティング業務など)は最初の100万円について10.21%、超過部分について20.42%の源泉徴収が必要です。それ以外の多くの業務は源泉徴収の対象外(受託者が確定申告で対応)です。区分は契約書の名称ではなく、業務の実態によって決まります。

秘密保持と知的財産の譲渡は同じ契約書に含めるべきですか、別個に分けるべきですか?

中小企業の通常の業務委託では、秘密保持と知的財産の譲渡を業務委託契約書に統合する方がシンプルで管理しやすいです。長期的または重要度の高い業務委託では、別個のNDA・知的財産譲渡契約書を用意した方が柔軟性が高まります(例:契約終了後もNDAが存続、IP範囲を独立して調整可能)。どちらのアプローチでも、3つの要素が明確に整理されていれば問題ありません。

業務委託契約は雇用契約のように随時解除できますか?

できません。これは非常に多い誤解です。業務委託の解除は契約書自体の規定により規律され、労働基準法の適用はありません。契約書に解除予告期間や契約期間が定められていれば、それが優先されます。民法も信義則上の義務を課し、中途解除時の損害賠償を要求する場合があります。契約書に明確な解除条項を設けることが、解除の予見可能性を確保する唯一の方法です。

業務委託と労働者派遣の違いは何ですか?

いずれも非雇用関係の業務処理ですが、法的仕組みが異なります。業務委託は会社と個人の直接契約であり、会社は受託者の日常業務を指揮監督しません。労働者派遣は、派遣元(許可を得た派遣事業者)が雇用する労働者を派遣先の指揮命令下で就労させる仕組みです。業務委託の受託者を従業員のように指揮監督すると、違法な偽装請負となります。

著者について

Emmanuel Gendre(SaiyouTeam代表)
Emmanuel Gendre
SaiyouTeam代表 · TechieCV株式会社

Emmanuelは日本の中小企業(SMB)向けに人事・採用のアドバイザリー業務を行っています。日本での採用経験は12年に及び、リクルートメントコンサルタントとしてITプロフェッショナルの採用を支援してきました。それ以前はGoogleのリクルーターとしてEMEA地域のエンジニア採用を担当しています。業務形態関連の実務はSMBクライアントから日常的に相談を受けるテーマであり、本テンプレートはそのアドバイザリー業務の一環として作成し、実際のクライアントとの相談時にもEmmanuel自身が活用しています。

個別の契約案件については、Emmanuelは社会保険労務士・弁護士などの有資格者と連携して対応しています。本テンプレートはアドバイザリーの場で活用する目安であり、個別案件における専門家の助言に代わるものではありません。

重要事項。本テンプレートは一般的な計画立案を目的としたものであり、専門家の助言に代わるものではありません。日本の契約法は複雑で個別事案性が高いため、非定型の状況で本書面を発行する前に、契約・労務に詳しい弁護士または社会保険労務士にご相談ください。