給与改定通知書 テンプレート(無料・書き方と例文付き)

給与改定通知書とは、昇給・減給・手当の見直しなどで給与が変わるときに、改定前後の金額と適用開始日を従業員に知らせる書面です。下の無料テンプレートに入力すると、改定前後の給与を比べた通知書ができ、PDFで保存できます。フォーマットの項目、減給の同意書、パートの時給改定の例文も紹介します。

最終更新 労働契約法・日本年金機構の公表情報に準拠

給与改定通知書テンプレート(昇給・減給・手当変更・時給改定)

改定の種類と給与形態を選び、改定前と改定後の金額を入力すると、右の通知書に比較表と増減が入ります。減給などの不利益変更では、従業員の同意欄が加わります。PDFとWord版で保存でき、英語版にも切り替えられます。

会社

従業員

表題と改定の種類

もっとも一般的な表題です。昇給・減給・手当の変更のどれにも使えます。

給与の総額が増える改定です。昇給だけを知らせるなら昇給通知書でも足ります。

給与形態

改定前後の給与(月額)

空欄の手当は通知書に載りません。

月額の増減:+40,000円(+9.3%) 年額換算:+480,000円(賞与を除く)

日付

締め日と支給日がずれる会社は、どの支給日から金額が変わるかまで書きます。

改定の理由と根拠

オプション

問い合わせ先

プレビュー

2027年3月15日

営業部 係長 田中 太郎 様

〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-1-1

株式会社サンプル

代表取締役 山田 花子

給与改定通知書

このたび、貴殿の給与を下記のとおり改定いたしますので、通知いたします。

記

  1. 改定の内容
    改定の種類:昇給
    項目改定前改定後増減
    基本給400,000円420,000円+20,000円
    役職手当10,000円30,000円+20,000円
    住宅手当20,000円20,000円0円
    月額合計430,000円470,000円+40,000円
    月額の増減:+40,000円(+9.3%) 年額換算:+480,000円(賞与を除く)
  2. 適用開始日
    2027年4月1日から適用します(2027年4月25日支給の給与から反映)。
  3. 改定の理由
    2026年度の人事評価の結果及び係長への昇格による改定
  4. 改定の根拠
    当社賃金規程第12条に基づく改定です。
  5. 社会保険料
    本改定に伴い、健康保険・厚生年金保険の標準報酬月額が見直され、社会保険料が変わる場合があります。
  6. お問い合わせ
    本件に関するお問い合わせは、人事部 鈴木(電話 03-1234-5678)までお願いいたします。

以上

Word版をダウンロード

上の給与改定通知書はPDFでダウンロードできます(メールアドレスの入力が必要です)。Word版は登録不要で、2枚目に同意書が入っています。

基本

給与改定通知書とは?発行義務と昇給通知書との違い

給与改定通知書とは、昇給・減給・手当の見直しなどで給与の額や内訳が変わるときに、会社が従業員へ改定前後の金額、適用開始日、改定の理由を知らせる書面です。法律上の発行義務はありませんが、変更した内容を書面で残す役割があります。

賃金改定通知書、給与変更通知書、労働条件変更通知書、給与辞令とも呼ばれ、名前による違いはありません。給与改定には昇給も含まれますが、昇給だけを知らせる場合は昇給通知書でも足ります。手当の変更、減給、基本給と手当の組み替えなど、昇給以外の変更を含むときは給与改定通知書を使います。

給与改定通知書と関連する書類の違い
書類誰に・いつ法的な位置づけ
給与改定通知書会社→従業員
改定を決めた後、適用開始日の前
作成義務なし労働契約法第4条第2項は、労働契約の内容をできる限り書面で確認するよう定めている
昇給通知書会社→従業員
昇給を決めた後
作成義務なし昇給だけを知らせる書面
給与改定の同意書従業員→会社
減給などの適用前
作成義務なし不利益な変更への同意を示す記録(労働契約法第8条・第9条)
労働条件通知書会社→従業員
採用時・有期契約の更新時
交付義務あり労働基準法第15条。在職中の給与改定は対象外
月額変更届会社→日本年金機構
随時改定の要件に当たるとき
提出義務あり固定的賃金が変わり、3か月の平均で標準報酬月額に2等級以上の差が出たとき

給与改定通知書を従業員に渡す法律上の義務はありません。労働基準法第15条が書面での明示を義務づけているのは、労働契約を結ぶとき(有期契約の更新を含む)です。ただし労働契約法第4条第2項は、労働者と使用者が労働契約の内容を「できる限り書面により確認する」よう定めており、厚生労働省の通達も、契約が変更される場面がこれに含まれるとしています。減給などの不利益変更では、通知書と同意書が、説明と同意があったことを示す記録になります。

給与改定通知書を出す主なケース

  • 定期昇給やベースアップで基本給を上げるとき
  • 昇格・降格で基本給や役職手当が変わるとき(昇格・昇進通知書とあわせて渡します)
  • 住宅手当や家族手当などを新設・廃止・増減するとき
  • 配置転換で地域手当や職務手当が変わるとき(配置転換通知書とあわせて渡します)
  • 地域別最低賃金の改定に合わせて、パート・アルバイトの時給を上げるとき
  • 業績や評価により減給・降給するとき
  • 固定残業代の金額や時間数を見直すとき
  • 合併や組織再編の後に、賃金制度を統合するとき
給与改定通知書の記入例(基本給40万円から42万円への昇給と手当・固定残業代の改定で、月額合計50万5,000円から55万5,000円に)
上のテンプレートで作った給与改定通知書の記入例。改定前後の比較表に基本給、手当、固定残業代、月額合計と増減が入り、適用開始日、改定の理由、根拠、固定残業代の時間数が続きます。

フォーマット

給与改定通知書のフォーマット:記載する10項目と書き方

給与改定通知書に決まった様式はありません。給与変更通知書や賃金変更通知書のフォーマットも、入れる項目は同じです。次の10項目を入れておけば、従業員が新しい給与をひと目で確認できます。

給与改定通知書に記載する10項目
項目書き方のポイント
1 通知日通知書を渡す日。適用開始日より前の日付にする
2 宛名所属・役職と氏名。人ごとに1枚作る
3 会社名・代表者名押印は任意
4 表題「給与改定通知書」。時給の改定は「時給改定のお知らせ」でもよい
5 改定の種類昇給、減給、手当の変更、基本給と手当の組み替えなど
6 改定前の給与基本給と手当を項目ごとに書き、月額合計を添える
7 改定後の給与改定前と同じ順に並べ、項目ごとの増減を添える
8 適用開始日「2027年4月1日から適用(4月25日支給の給与から反映)」のように、反映される支給日まで書く
9 改定の理由人事評価、昇格、手当制度の見直しなど。減給では具体的に書く
10 問い合わせ先人事担当者の部署・氏名・連絡先

必要に応じて、根拠となる賃金規程の条番号、固定残業代の金額と時間数、社会保険料が変わる可能性、同意欄を加えます。このページのテンプレートとWord版は、この順番で作っています。

よくある記載ミス

  • 適用開始日が「4月から」だけで、どの支給日の給与から変わるのかがわからない
  • 改定後の総額だけで内訳がなく、どの手当が変わったのかが伝わらない
  • 固定残業代の金額だけを変えて、何時間分にあたるかを書いていない
  • 減給なのに「受け取りました」という受領確認欄しかない

例文

給与改定通知書の例文:昇給・手当の見直し・減給・時給改定

コピーして〔 〕を書き換えれば使える例文です。記書きの項目は、上のテンプレートと同じ順番です。

例文1:昇給(人事評価と昇格による改定)

〔2027年3月15日〕

〔営業部 係長 田中 太郎〕様

〔株式会社サンプル〕
代表取締役 〔山田 花子〕

給与改定通知書

 このたび、貴殿の給与を下記のとおり改定いたしますので、通知いたします。

記

1.改定の内容 基本給 〔400,000円〕→〔420,000円〕(〔20,000円〕増)、役職手当 〔10,000円〕→〔30,000円〕(〔20,000円〕増)
2.適用開始日 〔2027年4月1日〕から適用します(〔2027年4月25日〕支給の給与から反映)。
3.改定の理由 〔2026年度の人事評価の結果及び係長への昇格による改定〕
4.改定の根拠 当社賃金規程第〔12〕条に基づく改定です。
5.お問い合わせ 〔人事部 鈴木(03-1234-5678)〕

以上

増減は項目ごとに書くと、どこが変わったのかが伝わります。上のテンプレートでは、比較表と月額合計が自動で入ります。

例文2:手当の見直し(月額の合計は変わらない場合)

例文1の本文と記書きを、次のように差し替えます。

 このたび、当社の手当制度の見直しに伴い、貴殿の給与の内訳を下記のとおり改定いたしますので、通知いたします。月額の合計に変更はありません。

1.改定の内容 基本給 〔300,000円〕→〔320,000円〕、住宅手当 〔20,000円〕→〔廃止〕、月額合計 〔320,000円〕→〔320,000円〕
3.改定の理由 〔住宅手当を廃止し、同額を基本給に組み入れるため〕
4.改定の根拠 〔賃金規程第15条〕の変更(〔2027年4月1日〕施行)に基づく改定です。

住宅手当を基本給に組み入れると、残業代の計算の基礎となる賃金が増えることがあります(労働基準法第37条第5項、同法施行規則第21条)。手当の廃止で月額が下がる人がいる場合は、例文3と同じく同意を得ます。

例文3:減給(本人の同意を得て行う場合)

 このたび、〔業績の悪化に伴う役職手当の見直し〕により、貴殿の給与を下記のとおり改定いたしたく、通知いたします。本改定にあたっては、〔2027年3月10日〕の面談でご説明した内容をご確認のうえ、末尾の同意欄へのご署名をお願いいたします。

記

1.改定の内容 役職手当 〔50,000円〕→〔30,000円〕(〔20,000円〕減)、月額合計 〔450,000円〕→〔430,000円〕
2.適用開始日 〔2027年5月1日〕から適用します(〔2027年5月25日〕支給の給与から反映)。
3.改定の理由 〔2026年度の営業利益が前年度から大きく減少し、役職手当の水準を見直すため〕
4.改定の根拠 本改定は、貴殿との合意に基づくものです。

以上

同意欄 私は、上記の改定について説明を受け、その内容を理解したうえで同意します。
    年  月  日  氏名〔      〕

減給は、署名があるだけでなく、同意が本人の自由な意思によることが大切です。説明した日と内容を通知書に残し、考える時間を置いてから署名を受け取ります(減給するときの給与改定通知書と同意書)。

例文4:パート・アルバイトの時給改定(最低賃金の改定に合わせる場合)

〔2026年10月20日〕

〔佐藤 花子〕様

〔株式会社サンプル〕
〔甲府店 店長 高橋 一郎〕

時給改定のお知らせ

 このたび、〔山梨県〕の地域別最低賃金の改定に伴い、貴殿の時給を下記のとおり改定いたしますので、お知らせいたします。

記

1.改定の内容 時給 〔1,100円〕→〔1,150円〕(〔+50円〕)
2.適用開始日 〔2026年11月1日〕勤務分から適用します(〔2026年12月10日〕支給の給与から反映)。
3.お問い合わせ 〔甲府店 店長 高橋(055-123-4567)〕

以上

令和8年度の地域別最低賃金は、2026年10月1日から12月2日にかけて都道府県ごとに発効します(東京都は10月1日から1,280円、山梨県は11月1日から1,113円)。発効日からは、改定後の最低賃金以上の時給にする必要があります(最低賃金法第4条第1項)。上のテンプレートで給与形態を「時給」にすると、同じ形の通知書を作れます。全員向けの短いお知らせは昇給通知書のページの例文6も使えます。

減給

減給するときの給与改定通知書と同意書

減給は、労働条件の不利益変更です。会社が通知書を出すだけでは成立せず、原則として従業員の同意が必要です。

労働契約法第8条は、労働者と使用者が合意すれば労働条件を変更できると定めています。第9条は、就業規則を変更して、合意なく労働者に不利益に労働条件を変えることを禁じています。例外は第10条で、変更後の就業規則を労働者に周知し、変更が合理的な場合に限られます。合理性は、労働者の受ける不利益の程度、変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況などに照らして判断されます。

同意は本人の自由な意思によるものに

最高裁判所は、賃金や退職金の不利益変更への同意について、署名や押印があるかだけでなく、同意が労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するかという観点からも判断すべきとしています(最高裁平成28年2月19日第二小法廷判決)。変更の内容、減る金額、理由を具体的に説明し、考える時間を置いてから同意書を受け取りましょう。説明した日と内容も記録しておきます。

賃金規程より低い額では合意できない

賃金規程で基本給や手当の額を定めている場合、その基準に達しない個別の合意は、その部分が無効になります(労働契約法第12条)。規程の額そのものを下げるときは、就業規則(賃金規程)の変更が必要です。同意が得られない場合は、改定を見送るか、就業規則の合理的な変更(第10条)によるかを検討します。

懲戒処分の減給とは別のもの

懲戒処分としての減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額、総額が1賃金支払期の賃金総額の10分の1までに制限されています(労働基準法第91条)。給与改定通知書で扱うのは、基本給や手当の額そのものを将来に向けて変える改定です。

給与改定の同意書の例文

給与改定に関する同意書

〔株式会社サンプル〕
代表取締役 〔山田 花子〕殿

 私は、〔2027年3月15日〕付け給与改定通知書により、下記の給与改定について説明を受け、その内容と理由を理解したうえで、これに同意します。

記

1.改定の内容 〔役職手当 50,000円 → 30,000円〕
2.適用開始日 〔2027年5月1日〕(〔2027年5月25日〕支給の給与から反映)

以上

〔2027年3月25日〕
氏名 〔      〕(署名)

同意書は2部作り、会社と従業員が1部ずつ持ちます。Word版の2枚目にも同じ同意書が入っています。

時期と手続き

給与改定通知書はいつ渡す?適用開始日と月額変更届

改定内容が決まったら、改定後の給与を初めて支払う日より前、できれば適用開始日より前に渡します。減給では、説明と同意の時間を見込んで、さらに早めに準備します。

締め日と支給日がずれる会社では、適用開始日だけでは、どの支給日から金額が変わるのかが伝わりません。「2027年4月1日から適用(4月25日支給の給与から反映)」のように、反映される支給日まで書きます。適用開始日を過ぎてから通知する場合は、差額をいつ支払うかも書きます。

給与改定は何月から?

法律上の決まりはなく、就業規則(賃金規程)で定めた時期に行います。常時10人以上の労働者を使用する会社は、昇給に関する事項を就業規則に記載します(労働基準法第89条第2号)。厚生労働省の「令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査」(常用労働者100人以上の企業)では、賃金の改定を1〜8月に実施し、9〜12月には予定しない企業が78.2%でした。

社会保険料が変わるとき(月額変更届)

昇給・降給や手当の変更で固定的賃金が変わり、変動月から3か月の報酬の平均で標準報酬月額が2等級以上変わると、随時改定の対象になります(3か月とも支払基礎日数17日以上)。会社は月額変更届を日本年金機構の事務センターまたは管轄の年金事務所へ速やかに提出し、4か月目から新しい標準報酬月額になります。4月支給の給与で変わった場合は、7月の標準報酬月額から改定されます。等級の目安の調べ方は昇給通知書のページ、改定後の手取り額は給与計算シミュレーターで確認できます。

賃金規程を変えるときは就業規則の変更届も

手当の新設・廃止など、賃金規程そのものを変える場合、常時10人以上の労働者を使用する会社は、過半数労働組合または過半数代表者の意見書を添えて、就業規則の変更届を所轄の労働基準監督署長に提出します(労働基準法第89条・第90条)。個人ごとの給与改定通知書には、届出は必要ありません。

渡し方と保存期間

渡し方に法令上の決まりはなく、手渡し、郵送、メール、社内システムのどれでも渡せます。減給の同意は、署名した書面など、後から確かめられる形で残します。昇給・減給に関する書類は「賃金に関する書類」として、労働基準法第109条により5年間(当分の間は3年間)保存します(厚生労働省「改正労働基準法等に関するQ&A」)。

ダウンロード

給与改定通知書のWord版(無料ダウンロード・登録不要)

Wordで編集したい方向けに、給与改定通知書のテンプレートを無料で用意しました。登録なしでダウンロードできます。

  • 1枚目は給与改定通知書です。改定前後の比較表があり、項目は上のテンプレートと同じ順番です。
  • 2枚目は給与改定に関する同意書です。減給など不利益な変更のときに使います。
  • 時給の改定は、表の「基本給」を「時給」に書き換え、表題を「時給改定のお知らせ」にします。
Word版をダウンロード(.docx)

使い方

給与改定通知書テンプレートの使い方(7ステップ)

  1. 表題と改定の種類を選ぶ

    給与改定通知書・賃金改定通知書・給与変更通知書・時給改定のお知らせから表題を選び、昇給・減給・手当の変更などから改定の種類を選びます。

  2. 給与形態を選ぶ

    月給か時給を選びます。時給を選ぶと、比較表が時給の改定前後に切り替わります。

  3. 会社と従業員を入力する

    会社名・所在地・代表者名と、従業員の氏名・所属・役職を入力します。

  4. 改定前と改定後の給与を入力する

    基本給と手当を項目ごとに入力すると、比較表に増減と月額合計が入ります。固定残業代は、スイッチをオンにして金額と時間数を入力します。

  5. 日付・改定の理由・根拠を入力する

    通知日、適用開始日、反映する給与の支給日と、改定の理由、根拠となる規程を入力します。

  6. 同意欄と社会保険料の案内を選ぶ

    減給など不利益な変更では同意欄を入れます(減給を選ぶと自動でオン)。社会保険料が変わる場合がある旨も入れられます。

  7. PDFまたはWordで保存する

    必要なら英語版に切り替えて本文を直接編集し、PDFをダウンロードするか、登録不要のWord版を使います。

よくある質問

給与改定通知書に関するよくある質問

給与改定通知書の発行は義務ですか?

法律上の義務はありません。労働基準法第15条が書面での労働条件の明示を義務づけているのは、労働契約を結ぶとき(有期契約の更新を含む)です。ただし労働契約法第4条第2項は、労働契約の内容をできる限り書面で確認するよう定めています。減給などの不利益変更では、通知書と同意書を残しておくことが大切です。

給与改定通知書はいつ渡せばいいですか?

改定内容が決まったら、改定後の給与を初めて支払う日より前、できれば適用開始日より前に渡します。減給の場合は、内容を説明して同意を得る時間が必要なため、さらに早めに準備します。

給与改定は何月から行うものですか?

法律上の決まりはなく、就業規則(賃金規程)で定めた時期に行います。厚生労働省の「令和7年賃金引上げ等の実態に関する調査」(常用労働者100人以上の企業)では、賃金の改定を1〜8月に実施し、9〜12月には予定しない企業が78.2%でした。社会保険料は、変動後の給与を初めて受けた月から4か月目に改定されることがあります。

給与改定と昇給の違いは何ですか?

昇給は給与が上がることだけを指します。給与改定はより広く、昇給のほか、減給、手当の新設・廃止、基本給と手当の組み替えなど、給与の額や内訳の変更すべてを含みます。昇給だけを知らせる場合は昇給通知書でも足ります。

給与改定通知書のテンプレートは無料でダウンロードできますか?

できます。このページのテンプレートに入力すると、通知書を無料でPDFにできます(メールアドレスの入力が必要です)。登録不要のWord版もあり、2枚目に減給などで使う同意書が入っています。

時給改定のお知らせの例文はありますか?

あります。例文4がパート・アルバイト向けの時給改定のお知らせです。「地域別最低賃金の改定に伴い、時給を改定します」のように理由を書き、改定前後の時給と適用開始日を示します。テンプレートでも、給与形態を「時給」にすると同じ形の通知書を作れます。

昇給した場合、労働条件通知書は作り直す必要がありますか?

在職中の昇給だけなら、作り直す義務はありません。給与改定通知書で、改定後の金額と適用開始日を書面に残せば足ります。有期契約を更新するときは新たな労働契約の締結になるため、改定後の賃金を含めて労働条件通知書で明示します。

給与改定の届け出はどこにすればいいですか?

給与改定通知書そのものの届け出はありません。昇給や減給で固定的賃金が変わり、3か月の平均で標準報酬月額に2等級以上の差が出たときは、月額変更届を日本年金機構(事務センターまたは管轄の年金事務所)に速やかに提出します。賃金規程を変えた場合、常時10人以上を使用する会社は就業規則の変更届を労働基準監督署に出します。

会社は一方的に減給できますか?

原則としてできません。労働条件の変更は労働者と使用者の合意によるのが原則で(労働契約法第8条)、就業規則の変更で合意なく不利益に変更することは禁じられています(第9条)。例外は、変更後の就業規則を周知し、変更が合理的な場合に限られます(第10条)。

確認欄への署名は、減給への同意になりますか?

文言によります。「受け取りました」という受領確認は同意ではありません。また最高裁判所は、賃金の不利益変更への同意は、署名の有無だけでなく、労働者の自由な意思に基づくと認めるに足りる合理的な理由が客観的にあるかという観点からも判断すべきとしています(平成28年2月19日判決)。変更の内容と不利益の程度を説明してから同意を得ます。

「昇給あり」なのに昇給しないのは違法ですか?

就業規則や労働条件通知書で昇給をどう定めているかによります。「業績や評価により昇給することがある」という定めなら、昇給しない年があっても直ちに違法とはいえません。毎年の昇給額や時期を具体的に約束している場合は、その定めに従う必要があります。

固定残業代を改定するときの注意点はありますか?

固定残業代の金額と、それが何時間分の残業にあたるかを、基本給と分けて書きます。実際の残業がその時間を超えた分は別に支払う旨も明記します。金額だけを変えて時間数を書かないと、固定残業代として認められないおそれがあります。

著者について

Emmanuel Gendre(SaiyouTeam代表)

Emmanuel Gendre

SaiyouTeam代表 · 日本の中小企業向け 人事・採用アドバイザー

  • 元Googleリクルーター
  • 採用経験12年

エマニュエルは、日本の中小企業に人事と採用のアドバイスを行っています。SaiyouTeam創業前は、Googleのリクルーターを含め、12年間採用の仕事に携わってきました。昇給や減給などの給与改定は、クライアントからよくご相談をいただくテーマのため、この無料のテンプレートを作成しました。減給のときに必要な同意欄と、社会保険の月額変更届の確認も入れています。

個別のケースについては、社会保険労務士や弁護士などの専門家へのご相談をおすすめします。

出典

本テンプレートと解説は、以下の公式情報に基づいています。発行元のページで根拠規定をご確認いただけます。

ご注意。本テンプレートと例文は一般的な目安であり、専門家の助言に代わるものではありません。法令と統計は2026年10月時点の内容に基づきます。減給や手当の廃止など不利益な変更、固定残業代の見直し、就業規則の変更を伴う改定では、社会保険労務士または労働問題に詳しい弁護士に最終的な文言の確認をご依頼ください。