賞与計算機(ボーナス手取り計算)

額面賞与から手取り額を算出。協会けんぽ都道府県別料率、厚生年金の支給ごと150万円上限、 賞与源泉徴収税額算出率表、住民税が控除されない仕様まで対応。

最終確認: · 出典:国税庁 賞与算出率表 + 協会けんぽ 令和7年度料率

賞与手取り 計算ツール

賞与・税額入力

社会保険料の算定基礎

仕組み

日本の賞与の課税と社会保険料控除の仕組み

日本の賞与(ボーナス)は、月給と同様に社会保険料と所得税の対象ですが、3つの点で大きく異なります。 所得税は前月給与で決まる別の表(賞与源泉徴収税額算出率表)を使用、社会保険料には支給ごと・年度累計の上限、 そして住民税は賞与から控除されない。結果として、同じ従業員でも、賞与の手取り率は 月給の手取り率より高くなるのが一般的です。

1. 標準賞与額(1,000円未満切り捨て)

社会保険料計算では、額面賞与をまず1,000円単位に切り捨てます。これが「標準賞与額」で、 協会けんぽ(または組合健保)と厚生年金保険料の算定基礎になります。 例:487,650円の賞与は、社会保険料計算上は487,000円として扱います。

2. 健康保険料・介護保険料

健康保険料は月給と同じ協会けんぽ都道府県別料率を使用し、従業員と会社が折半します。 令和7年度の東京都の合計料率は9.91%なので、従業員負担は4.955%です。 介護保険料(全国一律1.59%合計)は40〜64歳のみ対象。40歳の誕生月から自動的に開始、 65歳到達月に終了します。

両者には共通の年度累計上限があります。同一年度(4月〜翌年3月)に支給された賞与の累計 573万円までが健康保険・介護保険の対象。これを超える分は控除されません。 本ツールは「今年度の賞与累計額」フィールドで判定します。

3. 厚生年金保険料

厚生年金保険料は18.300%(2017年9月以降固定)の合計料率で、従業員負担は半分の9.15%。 上限は健康保険と異なり、1回の賞与支給につき150万円。年度累計ではなく支給ごとです。 400万円の賞与であっても、厚生年金の対象は150万円までとなります。

4. 雇用保険料

雇用保険料は額面賞与の全額が対象(上限なし)。従業員負担は一般事業0.55%、建設業・農林漁業・ 清酒製造業0.65%(令和7年度)。

5. 所得税:賞与源泉徴収税額算出率表

多くの従業員が知らない部分です。賞与の所得税は、年間限界税率ではなく、国税庁の 「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」から税率(%)を引き、 社会保険料控除後の賞与に乗じて算出します。表の参照キーは2つ:

  • 前月の社会保険料控除後の給与(前月の社会保険料控除後の給与)
  • 給与所得者の扶養控除等申告書記載の扶養親族数

税率には2.1%の復興特別所得税が既に組み込まれており、6.126%や4.084%といった半端な小数になります。 これを社会保険料控除後の賞与額に乗じて所得税額を求めます。

所得税法第186条による2つの例外:前月給与がない場合、または賞与が前月給与の10倍を超える場合は 別の計算方式(平均化方式)が適用されます。本ツールは標準的な算出率表方式を実装しています。 例外ケースは給与計算事業者または社会保険労務士にご相談ください。

6. 住民税:賞与から控除されない

所得税と異なり、住民税は前年(暦年)の総所得(賞与含む)に基づき算出され、 6月〜翌年5月の12回に分けて月給からのみ控除されます。賞与には住民税の控除はありません。 これが、月給と比べて賞与の手取り率が良く見える最大の理由です。

7. 計算例

30歳・東京都・額面賞与50万円・前月の社会保険料控除後の給与29万円・扶養親族0人の場合の 控除内訳(概算、円未満切り捨て):

  • 健康保険料:500,000 × 4.955% = 約24,775円
  • 厚生年金保険料:500,000 × 9.15% = 約45,750円
  • 雇用保険料:500,000 × 0.55% = 約2,750円
  • 所得税:(500,000 − 上記)× 4.084% = 約17,427円
  • 住民税:0円
  • 手取り:約409,298円

額面の約81.9%が手取り。月給では75〜78%程度になるところ、住民税が引かれない分だけ高くなります。

用語

主要な用語と概念

標準賞与額

額面賞与を1,000円未満切り捨てた金額。社会保険料の算定基礎となります(健康保険法第45条、厚生年金保険法第24条の4)。

賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表

国税庁が公表する、前月の社会保険料控除後の給与額と扶養親族数から賞与の所得税率を引く表。令和2年版が現行で、税率には復興特別所得税2.1%が含まれています。

健保・介護の年度累計上限(573万円)

同一年度(4月〜3月)に支給された賞与の累計573万円までが健康保険・介護保険の対象。これを超えた分には控除がかかりません。厚生労働省告示で定められています。

厚生年金の支給ごと上限(150万円)

厚生年金保険料は1回の賞与支給につき150万円までが対象。健康保険と異なり、年度累計ではなく支給ごとに判定されます。

介護保険の対象(40〜64歳)

介護保険料は40歳到達月から65歳到達月までが対象。協会けんぽの令和7年度合計料率は1.59%(全国一律)、従業員負担は半分です。

協会けんぽ vs 組合健保

協会けんぽは全国健康保険協会が運営する標準的な健康保険で、都道府県別料率(9〜10%程度)。組合健保は企業や業界団体が独自に運営する健康保険組合で、料率は組合により異なり、協会けんぽより1〜2ポイント低いことが多いです。本ツールは両方に対応。

住民税

前年(暦年)の総所得(賞与含む)に基づき算出される地方税。6月〜翌年5月の12回に分けて月給から控除されます。原則として課税所得の10%(道府県民税4%+市町村民税6%)に均等割が加算。賞与からは控除されません。

よくある質問

賞与に関するよくある質問

なぜ前月給与が賞与税額に影響するのか?

国税庁の賞与算出率表は、前月の社会保険料控除後の給与を、その月の限界税率の代理指標として使用します。年末調整まで毎月の年間税額計算をやり直す手間を避けるための設計です。

SI上限の判定は支給日と発生日のどちら?

支給日です。573万円の年度累計上限は、4月〜3月の間に「支給された」賞与の累計で判定。3月決定で4月5日支給の場合は、新年度の累計に算入されます。

賞与を2回に分割支給した場合は?

各支給はそれぞれ別の賞与として扱われます。厚生年金の150万円上限は支給ごとに判定されるため、300万円を150万円×2回に分けると、年金算定の対象額は1回300万円より多くなる場合があります。

パート・アルバイトにも賞与は出る?

賞与の支給は法定義務ではなく、就業規則または雇用契約で定めるものです。支給する場合は、社会保険の被保険者要件を満たすパート・アルバイトには上記と同じ控除ルールが適用されます。

入社時一時金(サインオンボーナス)の扱いは?

就業規則の賃金として支給され「賞与支払届」を提出する場合は、上記と同じ社会保険・税の取り扱い。賃金規程外の一時金として支給する場合は、通常給与または退職金相当の扱いになる場合があります。非標準的な構造の場合は社会保険労務士に確認を。

「賞与支払届」の提出期限は?

賞与支払日から5日以内に年金事務所に提出する必要があります。遅延すると行政指導の対象となり、社会保険料の算定にも支障が出ます。

賞与の税率が年間限界税率より高くなることはある?

前月給与が極端に低く賞与が大きい場合、稀にあり得ます。実務上は年末調整で実際の年間限界税率に精算されるため、過大徴収分は12月に還付されます。

役員賞与の取り扱いは?

役員賞与は事前確定届出給与として税務署に届け出ない限り、会社の損金として算入できません。従業員側の所得税・社会保険の取り扱いは通常の従業員賞与と同じです。

免責事項。 本ツールは令和7年度の協会けんぽ料率、厚生年金保険料率、 国税庁賞与算出率表(現行版)を実装しています。一般的な情報提供を目的としており、 法的・税務助言を構成するものではありません。所得税法第186条の特例、組合健保の独自料率、 特殊な事案(年度途中の都道府県異動、40歳到達月をまたぐ賞与、役員賞与など)では結果が 異なる場合があります。給与計算事業者の出力で必ず確認し、具体的な判断は社会保険労務士または 税理士にご相談ください。