高度専門職(Highly Skilled Professional)ビザ

日本のポイント制プレミアム就労ビザ。学歴・職歴・年収・年齢・ボーナス項目で70点に到達すると、5年ビザ、配偶者の就労許可、 親招聘の権利、早期永住ルート(10年→1〜3年)が解禁される。 3つの区分(1号イ・1号ロ・1号ハ)はそれぞれ異なる業務プロフィールに対応。

最終更新: · 出典: 出入国在留管理庁公式ガイダンス

区分判定ツール

業務活動

主たる業務内容で3区分のいずれが適用されるか決まります。 正確なポイント計算は専用の高度人材ポイント計算ツールをご利用ください。

プロフィール

ボーナス項目

3つの区分

1号イ・1号ロ・1号ハ:自分に合うのはどれ?

高度専門職1号は、1つの在留資格の下に3つの区分があります。 それぞれ少しずつ異なるポイント表を使い、異なる業務活動に対応。 主たる日常業務に合致する区分を選択してください:区分の誤りは不許可の主要原因。

1号 (i)

学術研究活動

高度学術研究活動

大学・公的私的研究機関・企業R&D部門での研究、研究指導、教育活動。

代表的な役職

  • 大学教授・准教授・講師
  • ポスドク研究員
  • 企業R&D科学者(製薬、バイオ、素材、半導体)
  • 公的研究機関研究員(理研、産総研など)

ポイント表の特徴

博士号が高加点。研究実績(特許、査読付き論文、競争的研究費)はそれぞれ15〜25点で累積可能。

1号 (ii)

専門・技術・人文知識

高度専門・技術活動

自然科学・人文科学の知識を要する業務。最多区分で、技人国ビザからの自然な昇格ルート。

代表的な役職

  • ソフトウェアエンジニア、データサイエンティスト、システムアーキテクト
  • 金融アナリスト、M&Aバンカー、運用担当者
  • マーケティングリード、プロダクトマネージャー、事業戦略
  • 弁護士(外国法)、経営コンサルタント
  • デザイナー(国際業務要素を含む)

ポイント表の特徴

年収帯が高加点。職歴年数は学歴と組み合わせ。多くのエンジニアはキャリア初期〜中期で70点到達。

1号 (iii)

経営・管理活動

高度経営・管理活動

企業の経営・管理。経営者、カントリーマネージャー、部門長、創業者向け。経営年数と年収を重視する異なる加点配分。

代表的な役職

  • 日本子会社のCEO、CFO、COO、CTO
  • カントリー/リージョナルマネージャー
  • P&L責任を持つ部門長
  • 日本法人の創業者・共同創業者
  • 主要事業部の部長/General Manager

ポイント表の特徴

経営経験年数と高年収が支配的。MBAは加点になるが必須ではない。創業者は出資額・雇用人数で追加点。

ポイント制度

70点制度の仕組み

各区分が公開ポイント表を持ち、同じ大カテゴリを区分ごとに少しずつ異なる重みで採点します。 70点でHSP-1取得、80点でさらに1年早期永住ルートも追加で解禁。 ポイント項目は安定しており、入力データさえ整えば採点は機械的。

採点カテゴリ(3区分共通)

  • 学歴:博士=30、修士=20、学士=10。複数学位は上限まで累積。
  • 職歴:該当領域での年数。10年以上=20点。下にブラケット。
  • 年収:単一最大の加点要素。1〜2百万円ごとのブラケット。1,000万円以上で年齢上限内最大。
  • 年齢:若い候補者ほど高加点(日本への長期貢献を促す設計)。
  • 研究実績:特許、査読付き論文、競争的研究費。1号イでは比重大。
  • 日本語能力:JLPT N1=15点、N2=10点。最も効果の高いボーナス。
  • ボーナス:日本の大学卒業:指定された日本の大学卒業者に+10点。
  • ボーナス:指定分野:AI・バイオ・半導体等の指定成長分野で+10点。

公開された正確なポイント表での詳細スコアは、専用ツールで計算してください:

高度人材ポイント計算ツールを開く →

HSPの特典

HSPで解禁される技人国ビザにない特典

5年初回ビザ

初回付与5年(技人国は1〜5年の裁量)。更新サイクルが大幅に減少。

配偶者就労許可(フルタイム)

配偶者は標準の家族滞在ではなく特定活動を申請、週28時間制限がなくなる。共働き家族にとって最大の特典。

早期永住

70点で3年、80点で1年の在留期間で永住申請可。他ビザの10年要件と比較して圧倒的に短い。

親招聘(条件付き)

7歳未満の子が世帯にいる、または妊娠中の配偶者がいる場合、親を招聘可。本人または配偶者の親いずれか一方に限定。

家事使用人の雇用

年収1,000万円以上の世帯は外国人家事使用人を1名雇用可能。継続的な雇用関係が条件。

複数就労活動の許可

1号ロ・1号ハ保持者は同区分内で複数雇用主・複数活動の就労可(技人国の単一雇用主制約より柔軟)。

入管手続きの優先処理

CoE審査が早く、更新も簡素、主要空港で優先入国レーン。日常的なQOL改善。

必要書類

必要書類(候補者・雇用主)

HSP申請は書類が重い:ポイント表で採点する各項目に裏付け書類が必要。 雇用主側も標準的な就労ビザ書類(履歴事項全部証明書、決算書、雇用契約書、業務内容詳細)を用意。 区分別書類:1号イは研究実績、1号ロは給与証明、1号ハは経営実績の証明が中心。

候補者側

候補者書類

  • 在留資格認定証明書交付申請書 または在留資格変更許可申請書(国内変更)
  • ポイント計算表 入管公開様式。各採点項目に証拠書類のレファレンス記載
  • 卒業証明書+成績証明書(翻訳付き) 採点する各学位。海外学位は同等性確認が必要な場合あり
  • 在職証明書(過去すべての雇用主から) 職歴年数の主張を裏付ける
  • 給与証明書類 直近の給与明細、給与記載のある雇用契約書、過去の納税証明書
  • JLPT合格証明書(言語ボーナス申告時) N1またはN2。原本または公的証明コピー
  • 研究実績(1号イ:特許、論文、研究費) 特許登録書類、共著者・引用情報を含む論文リスト、研究費採択通知
  • 日本の大学卒業証明(+10点申告時) 卒業証明書。学校が指定リストに載っていることが要件

雇用主側

雇用主書類

  • 履歴事項全部証明書 法務局発行、3か月以内
  • 直近の決算書 事業年度報告書、貸借対照表、損益計算書。HSPレベルの給与支払能力の証明
  • 雇用契約書 役職、業務、報酬、就業時間、契約期間を明記
  • 詳細な業務内容 申告区分との整合性が示されること
  • 招へい理由書 採用理由、HSPを選ぶ理由(技人国でない理由)、業務との整合性
  • 法定調書合計表 小規模事業者(カテゴリー4)の場合

申請の流れ

申請プロセスと期間(通常 1〜3か月)

1日目

自己採点

専用のポイント計算ツールで70点以上を確認。主たる業務に合致する区分(イ/ロ/ハ)を特定。

1〜3週間

証拠書類の整備

卒業証明、成績証明、在職証明、給与証明、JLPT、研究実績。採点する各項目に書類が必要。

1〜3か月

CoE発行(または在留資格変更)

雇用主が入管に申請。HSPは優先処理されることが多く、整った申請は2か月以内に発行されることも。

5〜10日

大使館ビザシール+来日

候補者来日、主要空港で5年在留カード受取。配偶者は即座にフルタイム就労許可を申請可。

1〜3年

早期永住申請

在留期間(70点で3年、80点で1年)累積後、永住申請を直接提出可能。HSP-2(1号で3年経過後)も選択肢。

費用

高度専門職の申請費用

概算費用内訳

高度専門職 1号 (HSP-1)

CoE申請手数料

申請時無料。国内変更時のみ収入印紙4,000円

¥0 – ¥4,000

大使館ビザシール(海外申請のみ)

シングル3,000円/マルチ6,000円(大使館により変動)

¥3,000 – ¥6,000

翻訳・認証

EN/JP以外の卒業証明、成績証明、在職証明

¥10,000 – ¥30,000

JLPT受験(言語ボーナス申告時)

10〜15点の加点を狙う一括費用

¥7,000 – ¥8,000

行政書士サポート(任意)

HSP対象候補者は自力申請も多い。複雑なケース(海外学位の同等性、1号ハ創業者)は専門家活用が有効

¥0 – ¥200,000

配偶者の特定活動申請(任意)

フルタイム就労許可。本人HSP取得後に別途申請

¥4,000

不許可事由

高度専門職の主要な不許可事由

HSPの不許可は判断ではなく書類不備によるものが多い:ポイント表は機械的でも、各項目に裏付け書類が必要。 入管公開ガイダンスと行政書士の実務パターンに基づく主要な不許可要因です。

区分の選択誤り

経営役職を1号ロで申請、純粋な研究役職を1号イでなく1号ロで申請など。日々の業務に合致する区分を選ぶ必要があります。

ポイント不足(70点未満)

自己採点での過大評価。よくある過大計上:在職証明書のない経験年数、給与帯を総支給と申告したが手取りや誤通貨換算。

給与証明の不足

給与申告が新雇用契約書と直近の給与明細/納税証明の両方で裏付けられていない。給与帯の加点はこの証明に依存。

海外学位の同等性が不明

無名校の海外学位は同等性証明書類が必要なケース。翻訳のみではニッチプログラムに対して不十分。

研究実績の検証不可

1号イ:DOIや雑誌情報のない論文、登録書類のない特許、採択通知のない研究費。各申告に検証可能なソースが必要。

業務内容と区分の不整合

雇用主の業務内容が申告区分と合致しない(例:1号ロ申告だが事務作業中心)。役職名でなく業務実態が審査対象。

2号と永住

高度専門職1号から2号、そして永住への道

高度専門職2号:無期限の在留

1号で3年経過後、2号申請が可能。在留期間は無期限(更新サイクルなし)、就労範囲が拡大、雇用主依存の制約も大半が撤廃される。 2号は永住の手前の安定資格。多くの保持者は最終的に永住に移行するが、2号自体が安定した長期資格。

早期永住:看板特典

標準永住は継続在留10年(うち就労5年)。HSP-1保持者はより早く資格獲得:

  • 70点以上 → 3年の継続在留で永住申請可
  • 80点以上 → 1年の継続在留で永住申請可

ポイントは申請時と(通常)当初HSP取得時の両時点で評価。 技人国で来日し後にHSPに切り替えた労働者は、永住に算入される在留期間がHSP取得日からとなるケースが多い点に注意。

転職

同区分内であれば可。変更後14日以内の入管届出が必要。 新雇用主への入社前に就労資格証明書を取得し、新業務が現HSP資格内で適法か書面で確認することを推奨。

区分変更(1号ロ→1号ハなど)

可能だが実質的変更として新規申請扱い。よくあるケース:シニアIC(1号ロ)がカントリーマネージャーに昇進し1号ハで再申請。

よくある質問

高度専門職 FAQ

高度専門職ビザとは?

日本のポイント制プレミアム就労ビザ。3区分(1号イ:研究/1号ロ:専門・技術・人文知識/1号ハ:経営・管理)に分かれる。70点到達で5年ビザ、配偶者就労許可、早期永住(10年→1〜3年)、親招聘などが解禁される。

3つの区分とは?

1号イ:学術研究・教育(研究者、教授、R&D科学者)。1号ロ:専門・技術・人文知識業務(エンジニア、IT、金融、マーケ、法務、コンサル等。最多区分)。1号ハ:経営・管理(経営者、カントリーマネージャー、創業者)。区分ごとにポイント表が異なる。

何ポイント必要?

70点で高度専門職1号(5年ビザ・全特典)。80点で1年早期永住ルートも解禁。学歴、職歴、年収、年齢、研究実績、日本語(JLPT N1/N2)、日本の指定大学卒業などのボーナス項目で計算。

どの区分で申請すべき?

主たる業務内容で選択。研究者・教授→1号イ。エンジニア、IT、金融、マーケ、法務、コンサル→1号ロ(最多)。経営者、創業者、カントリーマネージャー、部門長→1号ハ。区分の誤りは不許可事由となるため、日々の業務に最も近い区分を選ぶ。

配偶者は就労できる?

可。フルタイム就労可能(標準の家族滞在ビザの週28時間制限なし)。配偶者は特定活動を申請、就労時間の制限がなくなる。共働き家族にとって最大級の特典。

早期永住ルートとは?

標準永住は継続在留10年(うち就労5年)が要件。HSP-1の70点保持者は3年、80点保持者は1年で永住申請可能。意欲ある外国人専門職が技人国でなくHSPを目指す最大の理由。

親を招聘できる?

条件付きで可。世帯に7歳未満の子がいる、または妊娠中の配偶者がいる場合に限る。親ビザは本人または配偶者のどちらかの親に限定、年齢要件あり。育児支援のための制度であり、一般的な親の介護目的ではない。

高度専門職1号と2号の違いは?

1号:5年ビザ、70点要件、本ページで解説する各種特典。2号:1号で3年経過後に取得可。在留期間無期限(更新不要)、就労範囲拡大、運用が容易。永住の手前のステップとして安定した長期資格。

技人国ビザとの違いは?

技人国は標準的な就労ビザ:学歴整合性のある業務であればポイント要件なく取得可能。HSPは70点要件があるが、5年初回付与、配偶者就労、早期永住、親招聘、複数就労(1号ロ・ハ)が解禁される。技人国でスタートし、後にHSPに切り替える専門職が多い。

学位は日本のものが必要?

不要。海外学位もフルカウント。ただし指定された日本の大学卒業者には+10点のボーナス(公開リスト、WPIパートナー大学等)。境界線上の候補者を70点超えに押し上げる重要な追加点。

不許可になった場合はどうする?

HSPの不許可は主に(1)区分の選択誤り、(2)採点項目の証明不足、(3)給与証明と申告の不整合に起因。正式な異議申立はないため、不備を修正して再申請。1号ロのほぼ全候補者にとって技人国は退避先となる。

HSPで複数の仕事はできる?

1号ロ・1号ハは可。HSP制度は複数の許可活動(複数雇用主含む)を明示的に認める。ただし追加活動が同じ区分の範囲内であることが条件。技人国の単一雇用主制約より柔軟。

出典

重要事項. 本ページは出入国在留管理庁の高度専門職プログラム公開ガイダンスに基づく一般情報を提供するものであり、法的助言を構成するものではありません。 ポイント表とボーナス項目は定期的に更新されます。申請前には常に最新の公開表と照合してください。 複雑なケース(海外学位の同等性、1号ハ創業者申請、過去の不許可)は、HSP申請に詳しい行政書士にご相談ください。