内々定とは?内定との違い・取り消しのルールと、いつ出るか

内々定とは、正式な内定日(10月1日)より前に、企業が「採用する予定です」と伝えることです。多くの場合まだ労働契約ではなく、そこが内定との違いです。

  • 内定との違い
  • 取り消し・辞退
  • 2026年の日程
最終更新 政府の就職・採用活動に関する要請・判例・厚生労働省の資料に基づき作成

この記事の要点

  1. 内々定は法律用語ではなく、正式な内定日を10月1日以降とする政府の「要請」から生まれた呼び名です。要請に罰則の定めはありません。

  2. 内定は労働契約、内々定は多くの場合まだ契約前です。ただし呼び名ではなく実態で決まり、他社を辞退したり、求めに応じて入社誓約書を出したりしていれば、内定と同じく契約が成立していると判断されることがあります。

  3. 契約前でも、取り消しは自由ではありません。内定の直前に内々定を取り消した会社に、福岡高裁は慰謝料50万円の支払いを命じました。新卒の内定取消しは、2026年3月卒で29事業所・80人でした。

  4. 学生は内々定に拘束されません。大学側は9月30日以前の内々定は学生を拘束しないと申し合わせており、承諾書に署名していても法的拘束力はないと考えられています。

  5. 中途採用には10月1日の区切りがなく、内定の取り消しは新卒と同じ判例の枠組みで判断されます。経営悪化を理由とした取り消しが無効とされた例もあります。

基本

内々定とは:正式な内定日より前に伝える「採用の予定」

内々定とは、正式な内定日(卒業・修了年度の10月1日以降)より前に、企業が学生に「採用する予定です」と伝えることです。法律で定められた用語ではなく、新卒採用の日程ルールから生まれた呼び名で、読み方は「ないないてい」です。

日程ルールは、内閣官房・文部科学省・厚生労働省・経済産業省が経済団体などに出す「就職・採用活動に関する要請」で決まっています。2027年度卒業・修了予定者(2028年3月卒)向けの要請(2026年3月24日)は、広報活動の開始を卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降、採用選考活動の開始を6月1日以降、正式な内定日を10月1日以降としています。2027年3月卒向けの前年度の要請も、同じ日程です。

選考は6月から始められるのに、正式な内定は10月まで出せません。その4か月の間に、合格を伝えて入社の意思を確かめる手段として使われているのが内々定です。10月1日に内定式を開き、内定通知書を渡す会社があるのも、この日程に合わせたものです。

この日程は政府からの要請で、要請の文書に罰則の定めはありません。以前は経団連が「採用選考に関する指針」で日程を決めていましたが、2018年10月、2021年度以降に入社する学生からは指針を策定しないと決め、今は政府の要請が目安になっています。

内々定の伝え方に決まった形式はなく、電話やメールで伝える会社もあれば、正式な内定日や入社予定日を書いた「内々定通知書」を出す会社もあります。内々定通知書は、内定通知書テンプレートの「内々定」で作れます。

比較

内々定と内定の違い:労働契約が成立しているかどうか

内定と内々定の違いは、労働契約が成立しているかどうかです。内定は、入社日から働き始めることと、取消事由に当たれば会社が解約できることを条件にした労働契約(始期付解約権留保付労働契約)と解されています。内々定は、多くの場合まだ労働契約を結んだとは言えない段階と考えられています(厚生労働省)。

内定を労働契約とした根拠は、最高裁の大日本印刷事件判決(昭和54年7月20日)です。最高裁は、学生の応募を契約の申込み、会社の採用内定通知をその承諾とみて、誓約書の提出とあわせ、就労の始期を大学卒業の直後とし、それまでは誓約書に書かれた取消事由に基づく解約権を会社が持つ労働契約が成立したと判断しました。

内々定と内定の違い
項目内々定内定
時期採用選考の開始(6月1日)から9月30日まで。専門活用型インターンシップで専門性を認められた学生は3月から卒業・修了年度の10月1日以降
法的な性質多くの場合、労働契約は成立していない。実態によっては内定と判断される始期付解約権留保付労働契約(大日本印刷事件)
会社からの取り消し内定より認められやすいが、不誠実な取り消しは損害賠償の対象(コーセーアールイー事件)取消事由が客観的に合理的で、社会通念上相当な場合に限る(解雇と同じ考え方、労働契約法第16条)
本人からの辞退9月30日以前の内々定は学生を拘束しない(就職問題懇談会の申合せ)辞退の申し出から2週間で契約が終わる(民法第627条第1項)
労働条件の明示実態が内定と判断される場合は、その時点で明示が必要内定で契約が成立するなら、内定の時点で明示(労働基準法第15条)
書面決まった形式はない採用の時期・条件・取消事由を書面などで示す(青少年雇用機会確保指針)

出典:内閣官房「就職・採用活動に関する要請」、最高裁 昭和54年7月20日判決、福岡高裁 平成23年3月10日判決、厚生労働省「確かめよう労働条件」、民法、労働基準法、労働契約法、青少年雇用機会確保指針。

内定を取り消せるのは、最高裁によると「採用内定当時知ることができず、また知ることが期待できないような事実」を理由に、取り消すことが客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認できる場合に限られます。厚生労働省も、内定の取消しには解雇と同じく合理的な理由が必要だとしています(労働契約法第16条)。

本人の側は、内定でも辞退できます。期間の定めのない雇用は申し出から2週間で終わるため(民法第627条第1項)、入社日の2週間前までに伝えれば契約は終わります。内々定については、大学などでつくる就職問題懇談会が「9月30日以前の内々定は学生を拘束するものではない」と申し合わせています。

判断

内々定はほぼ内定?名前ではなく、やり取りの実態で決まる

内々定と呼ばれていても、実態によっては内定と同じく労働契約が成立していると判断されます。決め手は呼び名ではなく、通知の時期や内容、会社と本人のやり取りの経過です。

厚生労働省は、内々定は「多くの場合に労働契約を締結したとの認識には至っていない」としながら、「拘束関係の度合いが強ければ『採用内定』と認められ、労働契約が成立していると判断されることもあり得る」と説明しています。

内定と判断されやすい3つのやり取り

厚生労働省と労働局の資料は、労働契約が成立したと考えられる例として、次のやり取りを挙げています。

  • 他社の求人への応募を辞退した
  • 会社の求めに応じて、入社誓約書を出した
  • 会社の求めに応じて、近況報告をした

反対に、通知を受けても入社の誓約をせず、正式な内定ではないと本人も分かっていた例では、契約は成立していないとされています。東京都の資料も、呼び名が内々定でも、その会社の毎年の採用のしかたや応募者とのやり取りの経過によっては、労働契約が結ばれているとみなされる場合があるとしています。

どちらに当たるかは個別に判断されます。迷うときは、通知やメール、誓約書の写しをそろえて、総合労働相談コーナーに相談できます。

時期

内々定はいつ出る?原則は6月1日から、専門活用型インターンの参加者は3月から

内々定が出るのは、採用選考を始めてよい6月1日から、正式な内定日の前日の9月30日までが原則です。2026年3月卒からは、2週間以上の専門活用型インターンシップで高い専門性を認められた学生に限り、3月の広報開始後に内々定を出せるようになりました。

政府は2023年4月、インターンシップを活用する学生について日程ルールを見直し、3月の広報活動開始以降であれば、6月の採用選考活動開始を待たずに内々定を出せることとしました。この場合も、正式な内定日は10月1日以降のままです。

内々定から入社までの日程と内定率
時期日程ルール内定率(内々定を含む)
3月1日広報活動の開始。専門活用型インターンシップで専門性を認められた学生には、この後に内々定が出ることがある38.1%(2027年卒の大学生、リクルート)
6月1日採用選考活動の開始。ここから内々定が出る77.2%(同)
9月30日内々定の期間の終わり86.3%(2027年卒の大学生・大学院生、9月末、マイナビ)
10月1日正式な内定日。内定式を開く会社もある93.9%(2026年卒の大学生、リクルート)
翌年4月1日入社(就労の始期)ー

内定率は調査ごとに対象と方法が異なるため、数字どうしは比べられません。リクルートは2027年卒から調査方法を変えています。出典:インディードリクルートパートナーズ リサーチセンター「2027年卒学生 就職内定率調査(2026年6月1日時点)」(大学生585人)、同社「2026年卒 就職内定率調査(2025年10月1日時点)」(大学生721人)、マイナビキャリアリサーチLab「2027年卒 大学生キャリア意向調査9月」(1,833人)。

日程ルールは原則にすぎず、2027年卒の大学生は、広報開始の3月1日の時点で38.1%、選考開始の6月1日にはすでに77.2%が内定(内々定を含む)を得ていました。また、2022年の文部科学省・厚生労働省・経済産業省の合意で、タイプ3のインターンシップで得た学生の情報は、3月以降は広報活動に、6月以降は採用選考に使えるようになりました。

政府は、2028年度以降の卒業生について日程の見直しを検討しています(2026年3月24日の内閣府の大臣記者会見)。ルールが変わったら、このページを更新します。

取り消し

内々定の取り消し:契約前でも、不誠実な取り消しには慰謝料

内々定は労働契約が成立する前の段階なので、内定より取り消しが認められやすいのは確かです。それでも、入社を信じさせたまま正式な内定の直前に取り消した会社に、裁判所は慰謝料の支払いを命じています。

コーセーアールイー事件:内定通知書を渡す直前の取り消し

2008年5月ごろに内々定を受けた学生は、入社承諾書を返送し、他社の就職活動をやめていました。会社は、10月2日に予定していた内定通知書の授与の直前に、内々定を取り消しました。福岡高裁(平成23年3月10日判決)は、労働契約の成立は認めなかったものの、会社の損害賠償責任を認め、慰謝料50万円の支払いを命じました(一審の福岡地裁は100万円)。

同じ会社に内々定を取り消された別の学生の訴えでも、福岡高裁(平成23年2月16日判決)は、内々定を「直接的かつ確定的な法的効果を伴わないもの」としながら、損害賠償を認めています(賠償額は一審の85万円から22万円に減額)。労働契約が成立していなくても、採用を確実と期待させておきながら一方的に取り消せば、責任を問われることがあります。

取り消される確率は?2026年3月卒は29事業所・80人

新規学卒者の内定を取り消す会社は、あらかじめハローワークと学校に通知しなければなりません(職業安定法施行規則第35条第2項第2号)。厚生労働省のまとめでは、2026年3月卒で内定を取り消された新卒者は29事業所・80人(大学生等66人、高校生14人、7月末時点)で、理由が経営の悪化だったのは9事業所・34人でした。

新卒者の採用内定取消し(直近4年)
卒業年事業所人数
2023年3月卒2542人
2024年3月卒2547人
2025年3月卒2134人
2026年3月卒2980人

出典:厚生労働省「令和8年3月新卒者採用内定取消し等の状況」(2026年8月28日)。ハローワークに通知された内定取消しの数で、内々定の取り消しがすべて含まれるとは限りません。

内定を取り消された新卒者(2026年3月卒)
80人
取り消した事業所 29
内定を取り消された新卒者(2009年3月卒)
2,143人
取り消した事業所 447

内定が取り消されることは、実際にあります。私もリクルーターとして、そうしたケースを直接見てきました。内定を決めたあとでも、候補者について問題となる情報が明らかになったり、急な経営上の問題が起きたり、採用枠そのものが取り下げられたりして、会社がこの不本意な判断を迫られることがあります。

取り消されたときの相談先

内々定や内定の取り消しに納得できないときは、都道府県労働局や労働基準監督署にある総合労働相談コーナー(全国378か所)に相談できます。無料・予約不要で、募集・採用のトラブルも扱い、働く人と会社のどちらからも相談できます。取り消しを伝えるメールや書面、いつ誰と何を話したかの記録を手元に残しておきます。

受けた人へ

内々定が出たら:承諾・保留・辞退の決め方と期限

内々定が出たら、まず回答期限と正式な内定日を確かめます。内々定をキープできる期間に法律の決まりはなく、会社が示す回答期限が目安です。期限までに決められないなら、期限の前に延長を頼みます。

  1. 通知の内容を確かめる

    回答期限、正式な内定日、入社予定日と、労働条件がいつ示されるかを確かめます。期限が書かれていなければ、担当者に聞きます。

  2. 迷うなら、期限の前に保留を頼む

    他社の選考結果を待ちたいなど理由を伝え、いつまでに答えられるかを示します。2027年卒の採用では、内々定を出した学生の半数以上から返事を待ってほしいと頼まれた会社が38.5%ありました(マイナビ、企業2,154社)。ただ、延長の依頼を第一志望ではないサインと受け取り、他の候補者に進む会社もあります。

  3. 承諾するなら、内定までの予定を聞く

    内定式の日、内定通知書と労働条件通知書を受け取る時期、入社前の研修や提出書類を確かめます。

  4. 辞退するなら、決めた時点で伝える

    電話で伝え、メールでも残します。会社はその連絡を受けて、採用の人数や次の選考を組み直します。

回答期限について、私は企業に1週間を勧めています。特に週末を1回含めると、平日の予定に追われずに、候補者がじっくり考えられます。配偶者やパートナーと話し合ったり、必要なら誰かに相談したりする時間も取れます。1週間たってもさらに時間がほしいと言われる場合、多くは返事を引き延ばしているサインです。他社の内定の条件を待っているか、自社を選択肢として残しておきたいかのどちらかで、いずれにしても自社が第一志望ではないことが多いと言えます。候補者が特に優秀な場合を除き、可能であれば他の候補者に進むことをおすすめします。

内々定をとりあえず承諾してもいい?

法的には、内々定を承諾しても学生は拘束されません。就職問題懇談会は9月30日以前の内々定は学生を拘束しないと申し合わせており、内定承諾書や誓約書に署名していても、法的拘束力はないと考えられています(大阪府)。厚生労働省も、職業選択の自由(憲法第22条第1項)があるため内々定の辞退が違法になることはほとんど考えにくいとし、内定の辞退も、信義則にあまりに反する場合に損害賠償を求められる可能性があるにとどまるとしています。

辞退は珍しいことではなく、2027年卒の大学生では、6月1日時点で内定を得た学生の51.7%が、すでに1社以上を辞退していました(リクルート)。ただ、会社は承諾を前提に次の採用を組むため、承諾したあとで他社に決めたら、その時点ですぐ辞退を伝えます。

内々定が出たら就活をやめる?

マイナビの2027年卒の総括では、6月末時点で学生が持つ内々定は平均1.67社で、1社の内々定で就職活動を終えた学生が62.8%でした。続けるなら、内々定の回答期限までに他社の結果が出るか、内定式などの予定と他社の選考日程が重ならないかを先に確かめます。

他社の辞退を迫られたら(オワハラ)

内々定や内定と引き換えに他社の就職活動をやめるよう強要することを、政府の要請は「職業選択の自由を侵害するおそれがある許されない行為」としています。大学側も、内々定の段階で内定承諾書や誓約書の提出を求めることを、オワハラとして慎むよう企業に求めています。強要されたら、総合労働相談コーナーに相談できます。

中途採用

中途採用の内々定:10月1日の区切りはなく、内定と同じ判例で判断

10月1日を正式な内定日とする日程ルールは新卒採用のもので、中途採用には当てはまりません。中途採用で「内々定」と言われても、取り消しなどは内定と同じ判例の枠組みで判断され、経営悪化を理由とした内定の取り消しが無効とされた裁判例もあります。

大阪府の労働相談の資料は、中途採用の内定を「始期の定まっていない採用通知」と説明しています。新卒のように卒業後の4月1日という決まった入社日がなく、内定から入社までの期間は人によって違います。

インフォミックス事件(東京地裁 平成9年10月31日決定)では、スカウトされて内定を受け、前の会社に退職を申し出た人が、会社の経営悪化を理由に内定を取り消されました。裁判所は、人員削減の必要性、その手段として取り消す必要性、対象者の選び方の合理性、手続の妥当性という、整理解雇と同じ4つの要素を総合して判断するとし、この取り消しを無効としました。

内定によって労働契約が成立する場合は、その時点で賃金や労働時間などの労働条件を書面などで示す必要があります(労働基準法第15条)。2024年4月からは、就業場所と業務の「変更の範囲」も明示する事項に加わり、新しいルールが当てはまるかは契約を結んだ日で決まります。労働条件は労働条件通知書テンプレートで示せます。

企業の方へ

内々定を出す会社がすること:書面、期限、取り消すときの届出

内々定を出す会社が押さえることは3つです。内々定と引き換えに承諾書や他社の辞退を求めないこと、正式な内定で取消事由と労働条件を書面で示すこと、新卒者の内定を取り消すなら事前にハローワークと学校へ通知することです。

私は、中小企業には内々定を挟まず、最初から内定を出すことを勧めています。中小企業は優秀な候補者に入社を決めてもらう「選んでもらう側」で、採用の手順はできるだけ減らすべきだからです。大手や知名度の高い企業は長いプロセスを取る余裕がありますが、一般に、決断の早い採用ほど良い結果につながります。私がGoogleの採用に携わっていたときも、トップクラスの採用ブランドでありながら、内々定を挟まずにすぐオファーを出していました。スピードは優秀な候補者の確保につながり、意思決定の階層が少ない中小企業こそが持てる強みです。ぜひ生かしてください。

新卒採用では、政府の要請が正式な内定日を10月1日以降としていますが、要請に罰則はなく、それより前に内定を出すかどうかは各社の判断です。

  1. 内々定を出すなら、正式な内定日と予定だけを伝える

    正式な内定日、入社予定日、配属の予定を伝えます。内定承諾書や誓約書の提出、他社の辞退は求めません。青少年雇用機会確保指針は、採用内々定と引き換えに他社への就職活動をやめるよう強要しないことを求めています(内々定通知書を作る)。

  2. 回答期限を日付で示す

    期限と、延長を頼まれたときにどうするかを、通知を出す前に決めておきます。

  3. 正式な内定は書面で出し、取消事由を示す

    同じ指針は、書面の交付などで採用の時期、採用条件、採用内定の取消事由を示し、卒業を採用の条件にするなら、その旨も内定時に示すよう求めています(内定通知書を作る)。

  4. 内定で契約が成立するなら、労働条件を書面で示す

    労働基準法第15条の明示は、内定で契約が成立する場合は内定の時点で必要です。配属や業務が決まっていなければ、就労開始時の見込みを示します。2024年4月からは、就業場所と業務の変更の範囲も入れます(労働条件通知書を作る)。

  5. 取り消すなら、事前にハローワークと学校へ通知する

    新卒者の内定を取り消す・撤回するときは、あらかじめハローワークと学校に通知します(職業安定法施行規則第35条第2項第2号)。2年度以上続けて取り消した場合、同じ年度に10人以上を取り消した場合(その人たちの就職先を速やかに確保したときを除く)、事業の縮小が明らかでない場合、説明や就職先確保の支援をしなかった場合などは、厚生労働大臣が企業名を公表できます(平成21年厚生労働省告示第5号)。取り消しの理由は内定取消通知書で書面にします。

内定の取り消しには、30日前の解雇予告(労働基準法第20条)が当てはまるとする行政解釈があります。当てはまらないとした裁判例もあるため、取り消す前に弁護士や社会保険労務士に確認してください。

よくある質問

内々定に関するよくある質問

内々定はほぼ内定ですか?

多くの場合、内々定の段階では労働契約は成立しておらず、内定と同じではありません。ただし、他社を辞退したり、求めに応じて入社誓約書を出したりしていた場合などは、内定と同じく契約が成立していると判断されることがあります。

内々定が出たらどうしたらいいですか?

回答期限、正式な内定日、労働条件がいつ示されるかを確かめ、期限内に承諾か辞退かを伝えます。決められないときは期限の前に延長を頼めますが、第一志望ではないと受け取られることもあります。辞退するなら、決めた時点で電話とメールで伝えます。

内定と内々定の違いは何ですか?

労働契約が成立しているかどうかです。内定は正式な採用の通知(新卒では10月1日以降)で、始期付解約権留保付労働契約が成立し、会社は限られた理由でしか取り消せません。内々定はその前に伝える採用の予定で、多くの場合は契約前です。

内々定をキープできる期間は?

法律の決まりはなく、会社が示す回答期限が目安です。延長は期限の前に頼めますが、第一志望ではないと受け取られ、他の候補者に進まれることもあります。10月1日以降に内定となった後に辞退する場合は、申し出から2週間で契約が終わります。

内々定をとりあえず承諾してもいいですか?

承諾しても学生は法的に拘束されず、承諾書に署名していても法的拘束力はないと考えられています。ただ、会社は承諾を前提に採用人数を決めるため、他社に決めたらその時点ですぐ辞退を伝えます。

内々定が取り消される確率は?

確率を示す公的な統計はありません。ハローワークに通知された新卒者の内定取消しは、2026年3月卒で29事業所・80人で、理由が経営の悪化だったのは9事業所・34人でした。

中途採用にも内々定はありますか?

10月1日の日程ルールは新卒採用のもので、中途採用に内々定の区切りはありません。中途採用で内々定と言われても内定と同じ判例の枠組みで判断され、経営悪化を理由とした内定の取り消しが無効とされた裁判例があります。

内々定を辞退すると損害賠償を請求されますか?

通常はされません。厚生労働省は、職業選択の自由(憲法第22条第1項)があるため内々定の辞退が違法になることはほとんど考えにくいとしています。内定の辞退も基本的に問題はなく、信義則にあまりに反する場合に損害賠償を求められる可能性があるにとどまります。

著者について

Emmanuel Gendre(SaiyouTeam代表)

Emmanuel Gendre

SaiyouTeam代表 · 日本の中小企業向け 人事・採用アドバイザー

  • 元Googleリクルーター
  • 採用経験12年

エマニュエルは、日本の中小企業に人事と採用のアドバイスを行っています。SaiyouTeam創業前は、Googleのリクルーターを含め、12年間採用の仕事に携わってきました。このガイドもそのアドバイスの一部で、内々定と内定の違いを、政府の要請、判例、厚生労働省の資料からまとめました。

個別の事案の判断は、弁護士または社会保険労務士にご確認ください。

公式情報源

このガイドは、以下の公的資料・判例・調査に基づいています。発行元のページで内容をご確認いただけます。

ご注意。本ページは内々定と内定に関する一般的な情報であり、専門家による法的助言の代替ではありません。内々定や内定で労働契約が成立しているか、取り消しや辞退が認められるかは、個別のやり取りや事情によって判断が変わります。具体的な事案は、弁護士、社会保険労務士、または総合労働相談コーナーにご相談ください。