キャリア採用とは?中途採用・経験者採用との違いと企業のルール

キャリア採用とは、新卒以外の採用(中途採用)のうち、仕事の経験を応募の条件にする採用のことです。法律に定義があるのは「中途採用(新規学卒等採用者以外の雇入れ)」だけで、2025年に企業へ入った人の67.3%は、前職のある転職入職者でした(厚生労働省「雇用動向調査」)。

  • 中途入社 67.3%
  • 定義は中途採用のみ
  • 年齢制限は原則不可
最終更新 労働施策総合推進法・職業安定法・厚生労働省の統計に基づき作成
職歴のうち募集する仕事に合う経験が強調された、中途採用の応募者のイラスト

この記事の要点

5つのポイントで、キャリア採用の意味とルールを確認できます

  1. キャリア採用は法律用語ではありません。法律が定義するのは「中途採用(新規学卒等採用者以外の雇入れ)」だけで、キャリア採用は、そのうち仕事の経験を条件にする募集を指す会社ごとの呼び名です。
  2. 中途採用は日本の採用の主流です。2025年に企業へ入った人の67.3%が転職入職者で、新規学卒者は17.0%でした。
  3. 求人に経験の条件を付けると、若年者向けの年齢制限の例外は使えません。「経験者優遇」と書くだけでも同じです。
  4. 経験者でも育成は要ります。転職者がいる事業所の82.6%が教育訓練を行い、中途入社者の年次有給休暇は、法律上は入社から6か月後に付与されます。
  5. 中途入社は1年を通してあります。2025年の転職入職者の44.4%が7〜12月に入社し、新規学卒者では16.4%でした。

基本

キャリア採用とは:仕事の経験を条件にする中途採用

キャリア採用とは、新卒以外の採用(中途採用)のうち、募集する仕事の経験を応募の条件にする採用のことです。法律上の用語ではないため、意味は会社ごとに少しずつ違い、「経験者採用」と同じ意味で使う会社もあります。

法令にあるのは「中途採用」という言葉で、労働施策総合推進法第27条の2は、中途採用を「新規学卒等採用者以外の雇入れ」と定めています。新卒の採用枠以外で人を雇えば、経験の有無にかかわらず中途採用です。「キャリア採用」と「第二新卒」は、e-Govの法令検索で調べても法令の条文に出てきません(2026年10月20日確認)。

統計も同じように分けています。厚生労働省の雇用動向調査は、入職前1年間に仕事をしていた人を「転職入職者」として数え、新卒などの「未就業入職者」と分けています。

「キャリア採用」は、大企業の採用サイトでも中途採用の窓口の名前として使われています。ただし範囲は会社によって違い、パーソルキャリアは自社の採用について「キャリア採用=中途採用=未経験も含む中途入社者全体の採用」としています(パーソルキャリア HATARACTION!)。募集する側は応募資格の欄に経験の条件を書き、応募する側は名前ではなくその欄を確かめるのが確実です。

求人のタイトルを「キャリア採用」「中途採用」「経験者採用」のどれにするか相談されたとき、私は「中途採用」をおすすめすることが多くあります。日本で最も広く使われている言葉だからです。とはいえ、候補者は週に何百件もの求人をさまざまな書き方で目にしているので、「キャリア採用」でも伝わります。どちらかといえば避けたいのは「経験者採用」です。この言葉は職務経験に重きを置いていて、中途採用の意味と重なる一方で、その分野でのインターン、フリーランス、アルバイトの経験がある人まで含むことがあります。「中途採用」と「キャリア採用」なら、転職する人の募集であることがはっきりします。

キャリア採用者・キャリア入社とは

キャリア採用で入社した人を「キャリア採用者」「キャリア入社者」と呼びます。社内で新卒入社者と分けて研修を用意する会社もありますが、呼び名によって労働法の適用が変わることはありません。正社員か契約社員かも採用の呼び名ではなく、結んだ労働契約で決まります。

比較

キャリア採用と中途採用・経験者採用・新卒採用の違い

中途採用とは、新卒採用以外のすべての採用のことです。キャリア採用はその中で経験を条件にする募集を指し、経験者採用は中途採用の言い換えとして広まった言葉です。

キャリア採用・中途採用・経験者採用・新卒採用などの違い
呼び名誰を採るか経験の条件法令上の位置づけ
中途採用新卒の採用枠以外で雇うすべての人問わない(未経験者も含む)法律で定義(労働施策総合推進法第27条の2)
キャリア採用中途採用のうち、職種や業界の経験者必要(例:法人営業の経験3年以上)定義なし。会社ごとの呼び名
経験者採用中途採用全体、又はキャリア採用と同じ意味(会社による)会社による民間の採用では定義なし。国家公務員では国家公務員法の「経験者採用試験」
未経験者採用(ポテンシャル採用)中途採用のうち、職種の未経験者問わない中途採用に含まれる
第二新卒卒業後まもない若手問わないことが多い定義なし。新卒枠で採れば新卒、中途枠で採れば中途
新卒採用新たに学校を卒業する人(新卒と同じ枠・処遇で採る既卒者を含む)問わない中途採用比率の計算では「新規学卒等採用者」

中途採用と新規学卒等採用者の区別は労働施策総合推進法第27条の2と厚生労働省「中途採用比率の公表における解釈事項等について」によります。キャリア採用・第二新卒・ポテンシャル採用は法令の用語ではなく、経験者採用は国家公務員の採用試験の名前として国家公務員法に出てきます。

「経験者採用」は政府と経団連が使う中途採用の言い換え

「経験者採用」は、国家公務員の採用では国家公務員法に「経験者採用試験」として定められている言葉です。民間の採用では、政府が2018年12月に「中途採用・経験者採用協議会」を立ち上げて二つの言葉を並べて使い、2022年11月7日の定例記者会見では経団連の十倉会長が「「中途」という言葉に否定的なイメージがあることや通年採用を実施する企業が増えている実態を踏まえれば、「経験者採用」とする方がよいと考える」と述べました(経団連「定例記者会見における十倉会長発言要旨」)。会長の考えを示したもので、会員企業に呼び方を統一させる決定ではありません。経団連は2025年11月のアクションプランでも「経験者採用・カムバック採用の導入・拡大」を優先度の高い取組みに挙げています。求人で「経験者採用」と書くときは、未経験者も応募できるかを応募資格に書き分けます。

第二新卒・既卒は新卒枠か中途枠か

厚生労働省の指針は、学校を卒業した人が卒業後少なくとも3年間は新卒の採用枠に応募できるようにすることを事業主に求めています(努力義務)。中途採用比率の計算では、新卒と同じ採用枠・同じ処遇で採った既卒者は「新規学卒等採用者」として中途に数えず、反対に契約社員から正社員に転換した人は中途採用に数えます(厚生労働省 Q&A)。同じ第二新卒でも、どの枠で採るかで扱いが変わります。

統計

中途採用は日本の採用の主流:2025年の入職者の67.3%

人数で見ると、日本の採用の主流は中途採用です。2025年に企業へ入った7,526.8千人のうち、転職入職者は5,061.8千人(67.3%)、新規学卒者は1,275.8千人(17.0%)でした(厚生労働省「令和7年雇用動向調査」)。

2025年の入職者 7,526.8千人の内訳

厚生労働省「令和7年雇用動向調査」

転職入職者(中途)
67.3%
5,061.8千人
新規学卒者
17.0%
1,275.8千人
その他の未就業入職者
15.8%
1,189.2千人

転職入職者は、入職前1年間に仕事をしていた人です。割合は公表された人数から当サイトで計算しています。

雇用期間の定めのないフルタイム(一般労働者)に絞っても、入職者3,294.7千人のうち転職入職者は2,264.5千人(68.7%)、新規学卒者は770.2千人(23.4%)です。リクルートワークス研究所も、2012〜2021年度の正規社員の採用で新卒と中途の比率が「ほぼ一貫して3対7」だったと分析しています(新卒・中途採用横断レポート)。

大企業は事情が違います。経団連の会員企業381社への調査(2021年)では、過去3年程度の新卒と既卒の採用比率は「9:1」という回答が最も多く、5年程度先の見通しでは「7:3」が最多でした(経団連「採用と大学改革への期待に関するアンケート結果」)。

中途採用をする会社は増えています。リクルートワークス研究所の調査(3,901社)では、2025年度下半期に中途採用を実施した企業は84.4%で、比較できる2013年度下半期以降で最も高い水準でした(中途採用実態調査)。厚生労働省の「令和7年転職者実態調査」では、今後3年間に転職者を採る予定の事業所が63.6%あり、「転職者を優先して採用したい」が40.0%、「新規学卒者を優先して採用したい」が9.8%でした。ただし中途採用者の31.9%は職種の未経験者で、中途採用のすべてがキャリア採用ではありません。

企業の中途採用(2025年度、正規社員)

リクルートワークス研究所「中途採用実態調査」(3,901社)

中途採用を実施した企業(下半期)
84.4%
2013年度以降で最も高い水準
中途採用者に占める未経験者
31.9%
1社あたり 経験者13.9人・未経験者6.5人

働く人の側では、2025年の転職者は330万人、転職等希望者は1,023万人でした(総務省「労働力調査」)。雇用動向調査の数字と違うのは、労働力調査が世帯への調査、雇用動向調査が事業所への調査だからです。有効求人倍率は2026年8月で1.18倍、正社員では1.00倍です(厚生労働省「一般職業紹介状況」)。

私がアドバイスしている中小企業では、採用のほとんどが中途採用で、新卒採用は少なめです。新卒採用の日程、受け入れのプログラム、研修に対応するには、時間も費用もかかるからです。また、中小企業の経営では、入社してすぐに動け、チームに足りない知識やスキルを補える経験者のほうが、得られるものが大きい傾向があります。

理由

企業がキャリア採用をする理由と、「育成が要らない」という誤解

管理職や専門職で経験者を採る一番の理由は即戦力です。ただ、転職者がいる事業所の82.6%が入社後に教育訓練をしており、「教育コストがかからない」は言い過ぎです。

厚生労働省の「令和7年転職者実態調査」では、管理的な仕事と専門的・技術的な仕事で転職者を採った理由は「経験を活かし即戦力になるから」がそれぞれ60.7%、64.1%で最も多く、「専門知識・能力があるから」が50.2%、51.2%で続きました。事務・販売・サービスなどの仕事では「離職者の補充のため」が最も多く、職種によって中途採用の目的は違います。組織として重視したことは「人員構成の歪みの是正」が48.3%で最も多く、「既存事業の拡大・強化」が39.5%でした。

同じ調査で、教育訓練の内容は計画的なOJTが79.8%、OFF-JTが64.5%、入職時のガイダンスが53.9%でした。経験者でも、会社の仕組み、商品、一緒に働く人を覚える時間は要ります。

キャリア採用のメリットとデメリット(数字と出典つき)
区分内容数字(出典)
メリット早く戦力になる管理・専門職で採用理由の1位(60.7%・64.1%、転職者実態調査)
欠員をすぐ埋められる事務・販売・サービス等で採用理由の1位(転職者実態調査)
人員構成の偏りを直せる重視した事項の1位(48.3%、転職者実態調査)。ただし年齢の条件を付けられるのは例外に当たる場合だけ(求人票のルールを参照)
デメリット人が集まりにくい中途採用で人材を確保できなかった企業51.5%(リクルートワークス研究所)
費用がかかる中途採用の年間費用は1社平均609.9万円(マイナビ、2025年実績)
給与の決め方が難しい決め手は経験・能力59.2%、年齢35.3%、世間相場34.2%、前職の賃金27.0%(転職者実態調査)
辞めやすい退職者が出た企業の87.8%で中途入社の正社員が退職(マイナビ)。転職者の20.6%が「機会があれば転職したい」(転職者実態調査)

出典:厚生労働省「令和7年転職者実態調査」(2025年10月1日現在、9,154事業所・7,310人)、リクルートワークス研究所「中途採用実態調査(2025年度実績、正規社員)」(3,901社)、マイナビ「中途採用状況調査2026年版」(採用担当者1,500人、2025年実績)。87.8%は退職者が出た企業に占める割合です。

経験者に提示する給与が、同じ仕事をしている今の社員を上回りそうなとき、どうするかは一概には言えません。私が給与についてお伝えしている原則は、公平であることです。そのうえで、次のように考えます。

  • 今のチームより経験やスキルが上なら、高く払わない理由はありません。新しく、より大きな価値を加えてくれるからです。
  • 今のチームほどの価値を出せないなら、給与も低くするべきです。
  • 今の給与水準を超えて払わないと良い人材を採れないなら、今の社員に払っている給与が低すぎるということです。痛みは伴いますが、採用の前に社内の給与を見直す必要があるでしょう。

転職する側のメリットとデメリット

2025年に転職して入社した人のうち、前の仕事より賃金が「増加」した人は40.8%、「減少」した人は31.0%、「変わらない」人は25.5%でした(雇用動向調査)。年代で差があり、50〜54歳では減少(42.0%)が増加(29.4%)を上回ります。転職者が今の会社を選んだ理由は「仕事の内容・職種に満足がいくから」40.2%、「自分の技能・能力が活かせるから」38.4%が上位でした(転職者実態調査)。

ルール

求人票に「経験者」と書くときのルール:年齢制限と労働条件の明示

キャリア採用の求人に年齢の上限は付けられないのが原則です。若年者を採るための年齢制限の例外は、職業経験を条件にしない募集にしか使えないからです。

労働施策総合推進法第9条は、募集と採用で年齢にかかわりなく均等な機会を与えることを事業主に求めています。例外は同法施行規則第1条の3に限って定められ、長く勤めて育てる目的で若年者を年齢の上限付きで募集する例外(第3号イ)は、期間の定めのない雇用で、職業経験を求人の条件にしない場合に限られます。

厚生労働省のQ&Aは、この例外を使うときは「○○の経験者募集」だけでなく、「○○経験者優遇」「経験があれば尚よい」とも書けないとしています。経験を求める求人では、この例外を使って年齢の上限を付けることはできません。年齢を問わない求人なら、経験の有無や経験年数を条件にするのは問題ありません。ただし合理的な理由なく長い経験年数を求めることは、実質的な年齢制限として「適当ではありません」とされています。

年齢の偏りを直したいときに使える例外もあります(第3号ロ)。技能を引き継ぐため、特定の職種で30〜49歳のうち5〜10歳幅の層の人数が、上下の同じ幅の層の2分の1以下である場合に、その層を期間の定めのない雇用で募集できます。人員構成の是正を目的にキャリア採用をするなら、この条件に当たるかを先に確かめます。

募集の段階で明示する労働条件(2024年4月から3項目追加)

職業安定法第5条の3と同法施行規則第4条の2により、求人では業務の内容、契約期間、試用期間、就業の場所、労働時間、賃金、社会保険などを明示します。2024年4月1日からは、①従事すべき業務の変更の範囲、②就業場所の変更の範囲、③有期労働契約の更新上限が加わりました。「変更の範囲」は入社直後だけでなく、将来の配置転換を含む契約期間中の範囲です(厚生労働省リーフレット)。労働契約を結ぶときも、労働基準法第15条により同じ事項を書面で示します(労働条件通知書テンプレート)。

キャリア採用の求人票チェックリスト

求人票を出す前に、上から順にチェックしてください。チェックした状態のままPDFにでき、印刷して社内の確認にも使えます。

キャリア採用

求人票チェックリスト

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労働施策総合推進法第9条、同法施行規則第1条の3、職業安定法第5条の3、同法施行規則第4条の2、厚生労働省「年齢制限禁止の義務化に係るQ&A」に基づく確認項目です。

求人の経験の条件は、多くの会社が経験年数で書いています。それで問題はありませんが、私は2つの点をお伝えしています。

  • 1つ目は、年数を幅で示し、その幅をできるだけ広くとることです。良い候補者ほど覚えるのが早く、少ない年数でより多くのスキルを身につけています。そうした人を年数で外さないためです。
  • 2つ目は、できるなら経験年数で書くのをやめることで、これが本当のベストプラクティスです。手間はかかりますが、理想は、入社する人に何ができることを期待しているのか、求めるレベルを具体的に書くことです。経験年数という抽象的な物差しがなくなり、候補者にも期待される役割がはっきり伝わります。ここまで書く会社はほとんどないので、ほかの求人との違いを出すことにもつながります。

例えばフロントエンドエンジニアの求人なら、次のように書き換えます。

経験の条件の書き方:変更前と変更後(フロントエンドエンジニアの例)
書き方経験の条件
変更前:年数で書くReact・TypeScriptの実務経験3年以上
変更後:できることで書くTypeScriptで、本番運用レベルのReactアプリケーションを構築・型付け・保守できること。再利用できるコンポーネント構成を設計し、厳密な型でデータをモデル化し、規模が大きくなっても状態とパフォーマンスを管理できる。

公表義務

従業員301人以上の企業は中途採用比率の公表が義務

常時雇用する労働者が301人以上の企業は、正規雇用労働者の採用に占める中途採用の割合を、直近3事業年度分、おおむね年1回、インターネットなどで公表しなければなりません。2021年4月1日からの義務です。

根拠は労働施策総合推進法第27条の2と同法施行規則第9条の2で、公表した日を示し、求職者が簡単に見られる方法で出します。比率は事業年度ごとに「中途採用で雇った正規雇用労働者の数 ÷ 雇った正規雇用労働者の数」で、小数点以下第一位を四捨五入します(厚生労働省リーフレット)。

中途採用比率の計算例
事業年度正規雇用の採用者数うち中途採用中途採用比率
2023年度20人14人70%
2024年度25人15人60%
2025年度18人15人83%

計算例(数字は例です)。2025年度は15 ÷ 18 = 83.3%で、四捨五入して83%と公表します。

数え方は厚生労働省のQ&Aで示されています。新卒と同じ枠・同じ処遇で採った既卒者は中途に数えません。契約社員などから正規雇用に転換した人は中途に数えます。出向や転籍で受け入れた人は採用に数えません。違反への罰則はありませんが、中途採用を増やした事業主に中途採用者1人あたり20万円を支給する「早期再就職支援等助成金(中途採用拡大コース)」では、300人を超える事業主はこの公表が支給の要件です。300人以下の企業に公表の義務はありません。

時期・流れ

中途入社の時期は1年中:募集から入社までの流れ

中途入社に決まった時期はありません。2025年の転職入職者の55.6%が1〜6月、44.4%が7〜12月に入社し、新規学卒者の83.6%が1〜6月に入社したのと対照的です(雇用動向調査から計算)。

入社した時期(2025年)

厚生労働省「令和7年雇用動向調査」「令和7年上半期雇用動向調査」

  • 1〜6月
  • 7〜12月

転職入職者5,061.8千人

新規学卒者1,275.8千人

上半期の転職入職者2,816.4千人・新規学卒者1,066.5千人を、年間の人数で割って当サイトで計算しています。

入社日は、候補者が今の会社をいつ辞められるかに左右されます。期間の定めのない雇用なら、民法第627条により退職の申入れから2週間で契約は終わりますが、就業規則で申出の時期を定めている会社もあり、引継ぎも含めて候補者と相談して決めます。前回の転職者実態調査(令和2年)では、前の勤め先を辞めてから今の勤め先に入るまでの期間は「離職期間なし」が26.1%、「1か月未満」が27.6%でした。マイナビの調査(2025年実績)では、応募から内定応諾までの平均はWEB面接で31.5日、対面面接で30.2日です。職種と役職ごとの採用期間の目安は採用期間ベンチマークで確かめられます。

転職者が今の仕事を見つけた経路は、求人サイト・求人情報誌等が45.1%、ハローワーク等が29.6%、縁故が22.2%、民間の職業紹介機関が20.9%、企業のホームページが13.5%でした(令和7年転職者実態調査、複数回答)。募集から入社までは、次の5つの手順で進めます。

  1. 求める経験を決める

    職種、経験の年数又は担当してきた業務、役職を決めます。年齢は条件にしません。

  2. 求人票を作る

    業務と就業場所の変更の範囲など、2024年4月からの明示事項を入れます。

  3. 募集する

    求人サイト、ハローワーク、縁故など、求める経験を持つ人に届く経路を選びます。

  4. 選考する

    書類と面接で、経験の中身を担当した業務の単位で確かめます(候補者スクリーニングの進め方)。

  5. 入社日を決め、内定を出す

    今の会社の退職時期と引継ぎを踏まえて入社日を決め、内定通知書と労働条件通知書で示します。

内定承諾から入社までは、1〜2か月なら許容範囲だと私は考えています。退職を1〜3か月前に申し出るという定めは、多くの場合、そのまま強制できるものではありません(個別のケースは弁護士にご確認ください)。一度決めたら早く次へ進むほうが、会社にとっても候補者にとっても良い結果になります。

よく見かける落とし穴もあります。退職する前に、自分の後任を見つけなければならないと責任を感じる候補者がいることです。私も日本で人材紹介のエージェントとして働いていたころに、何度も目にしてきました。誠実さから来るものですが、その忠誠心は見当違いです。候補者には、自分が替えのきかない存在ではないこと(そのような社員はほとんどいません)、そして今の会社はできるだけ長く引き留めようとすること(仕事ができる人ならなおさらです)を理解してもらう必要があります。後任探しを待てば、いつ辞められるかを決める権限を今の会社に渡すことにもなります。

そのため、入社時期は、できれば内定を出す前に話し合って決めておき、スケジュールをはっきりさせます。会社にとってスピードは大切で、早く入社できることも、候補者が提供する価値の一部です。

入社手続き

中途入社者を迎えるときの手続き:有給・試用期間・年末調整

中途入社者の年次有給休暇は、前の会社での勤続に関係なく、入社日から6か月継続して勤務し、8割以上出勤したときに10日が付与されます。社会保険と雇用保険の届出、年末調整にも、中途入社ならではの期限と書類があります。

労働基準法第39条は、雇入れの日から6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に10労働日の有給休暇を与えると定めています。入社直後から付与する(前倒しで付与する)こともでき、その場合は翌年度以降の付与日も同じかそれ以上の期間繰り上げます(厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」)。付与される日数は有給休暇付与日数計算ツールで確かめられます。

試用期間中の人でも、14日を超えて雇った後に解雇するときは、労働基準法第20条の30日前の予告(又は解雇予告手当)が必要です。同法第21条が試用期間中の人を外しているのは予告の手続きだけで、それも雇い入れから14日以内に限られます。試用期間を延ばすときの通知は試用期間延長通知書で作れます。

中途入社の手続きと期限
手続き期限根拠
健康保険・厚生年金保険の資格取得届入社から5日以内厚生年金保険法施行規則第15条(日本年金機構)
雇用保険の資格取得届入社した月の翌月10日まで雇用保険法施行規則第6条(厚生労働省)
前の会社の源泉徴収票の提出を求める速やかに(年末調整に必要)国税庁 タックスアンサーNo.2668
労働条件通知書の交付労働契約を結ぶとき労働基準法第15条
年次有給休暇の付与入社から6か月後(前倒しも可)労働基準法第39条

年の途中で入社した人に前の会社の給与があるときは、前の会社に扶養控除等申告書を出していれば、その給与を含めて年末調整をします。前の会社の支払額と源泉徴収税額は源泉徴収票で確かめるので、会社は速やかにその提出を求めます(国税庁 タックスアンサーNo.2668)。入社時に集める書類は入社書類チェックリストにまとめています。

FAQ

キャリア採用・中途採用に関するよくある質問

キャリア採用と中途採用の違いは何ですか?

中途採用は新卒以外のすべての採用で、法律(労働施策総合推進法第27条の2)にも出てくる言葉です。キャリア採用は、そのうち仕事の経験を応募の条件にする採用を指す、会社ごとの呼び名です。未経験者も含めて「キャリア採用」と呼ぶ会社もあるので、求人の応募資格で確かめてください。

キャリア採用者とは何ですか?

キャリア採用で入社した人のことで、「キャリア入社者」「中途入社者」とも呼ばれます。呼び名で労働法の扱いが変わることはありません。

「経験者採用」とはどういう意味ですか?

中途採用の言い換えです。政府は2018年から「中途採用・経験者採用」と並べて使い、2022年11月には経団連の会長が、「中途」という言葉の否定的な印象などを理由にこの言い方を勧めました。会社によって中途採用全体を指す場合と、キャリア採用と同じく経験者だけを指す場合があります。

キャリア採用と正社員の違いは何ですか?

キャリア採用は「どう採るか」、正社員は「どの雇用形態で雇うか」を表す言葉で、比べる軸が違います。キャリア採用で契約社員を雇うこともあり、2025年に転職して入社した5,061.8千人のうち、雇用期間の定めのないフルタイムは2,264.5千人(44.7%)でした(雇用動向調査から計算)。

就活における「キャリア」とは何ですか?

職歴、つまり仕事の経験の積み重ねのことです。在学中の就職活動は職歴を問わない新卒の採用枠で行い、キャリア採用は職歴のある人の枠です。卒業後3年以内の人は、新卒の採用枠に応募できるようにすることが国の指針で事業主に求められています。

キャリア採用に未経験でも応募できますか?

求人によります。中途採用者の31.9%は職種の未経験者で(リクルートワークス研究所、2025年度)、「キャリア採用」の名前で未経験者を募集する会社もあります。応募資格に経験の条件が書かれていなければ、応募できます。

中途入社とは何ですか?

新卒の採用枠以外で会社に入ることです。2025年に企業へ入った人の67.3%が、入職前の1年間に仕事をしていた転職入職者でした。

中途入社はいつが多いですか?

1年を通してあります。2025年の転職入職者は1〜6月が55.6%、7〜12月が44.4%で、1〜6月に83.6%が集中する新卒とは違います。入社日は候補者の退職時期に左右されるので、できれば内定の前に話し合って決めておきます。

キャリア採用は英語で何と言いますか?

労働政策研究・研修機構の英語資料では「mid-career hiring」「mid-career hires」が使われています。

優秀な中途採用の特徴は何ですか?

中小企業で活躍する経験者を面接で見分けるとき、一番大切なサインは、限られた環境でも自分で何とかする「たくましさ」があるかどうかです。自律して働くことに慣れていて、あいまいさを受け入れられ、仕組みやツール、仕事のやり方をつくることに本気でわくわくできる人です。会社がやり方を指示するのではなく、自分で答えを見つけ、どう進めるのが一番よいかを会社に提案してくれる「小さなオーナー」であることが求められます。こうした人は、決まったプロセスに沿って組織の歯車として働くことが多い大企業より、ほかの小さな会社で見つかることが多くあります。ただし例外もあります。私はGoogleで、確立した大企業でありながら、ツールや新しいプロセスをつくることを楽しんでいました。Googleはこうしたたくましさが文化に合う会社でしたが(大企業では珍しいことです)、最終的には、すべてを一からつくるために自分で中小企業を立ち上げる道を選びました。大企業出身の人を検討するなら、自分で何かをつくりたい、自分のものとして持ちたいと考えている人を探してください。

著者について

Emmanuel Gendre(SaiyouTeam代表)

Emmanuel Gendre

SaiyouTeam代表 · 日本の中小企業向け 人事・採用アドバイザー

  • 元Googleリクルーター
  • 採用経験12年

エマニュエルは、日本の中小企業に人事と採用のアドバイスを行っています。SaiyouTeam創業前は、Googleのリクルーターを含め、12年間採用の仕事に携わってきました。このガイドは、その助言の一部として、経験者を採るときに押さえておく言葉の意味、統計、法律のルールを一つにまとめたものです。

求人の条件や手続きの判断は、個別の事情で変わります。個別のケースは、社会保険労務士や弁護士にご確認ください。

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公式情報源

このガイドは、以下の法令、統計、公的資料と、発行元を明記した調査に基づいています。発行元のページで数字と根拠規定をご確認いただけます。

ご注意。本ページは2026年10月20日時点の法令と公表資料に基づく一般的な情報で、法的助言ではありません。統計の割合のうち「当サイトで計算」としたものは、公表された人数から計算しています。個別の判断は、社会保険労務士、弁護士又は管轄の労働局・ハローワークにご確認ください。